季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

現代の都会でプチ昔&田舎暮らし
-old & country style in modern urban life

安心な場所

2006-12-05 09:53:20 | ハンドワーククラブ HandworkClub
アルコール依存症専門の精神科クリニックで働いていると言うと
「怖くないですか?」
と聞かれることがあります。

怖くないです。
初めはどんな所か、どんな人たちがいるのか不安だったけれど
来てみたら居心地のいい、あったかな所でした。

アルコール依存症の人は本人に言わせても
「酒さえ飲んでなかったら、借りてきた猫みたいなもん。」
です。

困った事がおきる事もありますが、そんなときは助けを求めればちゃんと解決します。
お医者さんやケースワーカーや看護婦さんがいて
しっかりとサポートされているのです。

いつも助けになるのは患者さん。
患者さんはそれこそ毎日患者さん同士で会っているので
いろんな人との接し方や対処の仕方に長けています。
私はいつも助けられてばかり。

私は何の心配もなく仕事ができます。

私の職場は「安心な場所」です。

かえって怖いと思うのは
病院の外。

本当は病気なのに自分ががんばったらなんとかなる、と思ったり
家族や会社のせいにしたりして
どんどん自分の体も周りとの関係も悪くなっている人たち。
病院や断酒会に繋がっていないアルコール依存症の人たち。
毎日が本当に修羅場だと思います。

アルコールに限らず、どんな病気もそうだと思います。
自分を大切にできず、どんどん深い穴を掘っている。
そんな人たちを怖いと思います。

しんどい、痛い、苦しい、と思ったら専門家に任せる。
仲間を作る。
とても勇気のいる事だけれど、意味のある行動です。

真っ暗で冷たい所にずっといる必要はないのです。
だれしも暖かく明るい、安心できる所にいる権利があります。


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