季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

現代の都会でプチ昔&田舎暮らし
-old & country style in modern urban life

感じて生きる

2010-12-22 08:42:59 | ハンドワーククラブ HandworkClub
クリニックのクリスマス会。滞りなく盛況のうちのお開きとなりました。

午前中のハンドワーククラブ「スペシャルディ」しめ縄作り。
なんと50組準備した中で43組が作品になりました。
2時間の中でよくこれだけ出来たと自画自賛!

手の方も養生と治療と準備の成果があって、問題なく作業が出来ました。
藁を綯えたので、自分でもすごいと感心。

いつものメンバーに加えて、初めて会う人たちも。
ケースワーカーの人に連れられて来て、始めは硬い表情の彼が
藁を持って作り始めたとたんに硬さが取れて、夢中の輝く顔に。
体も作業に集中しているので柔軟に力が入っています。
そうして飾りを付けて出来上がったときの笑顔!
全然違う人みたい!
またまたこの仕事の醍醐味でした。
手仕事って人をこんなにも生き生きとさせることが出来る!

「良いお正月が来るわ!」と喜ぶ人たち。
毎日ひたすらコツコツと頑張って準備した甲斐がありました。
うれしいなあ。

「子どもん時、親がやってたの見たことあるわ。」
「昔やったことある。細い縄をひたすら綯うねん。」
とか言う声が聞こえる。

いつもの活動の時でも「子どものときうちで羊飼ってた」って言う人もいたりする。

そういう体験がどれほど貴重で尊いか…。
私は思う。
無意識でも手や足を使って物を作る仕事を見たりしたりすること。
豊かな感覚の体験。
それこそどんな宝にも勝る財産だと思っています。

寒さ、温かさ、硬さ、柔らかさ。匂い、色、質感。
作り上げる力の強さ。出来たものが暮らしの中で生きる様子。一緒に作業した人との温かい関係。

こう言う物が一生を通して生きる底力になるんだと思っています。

人生の過程でどこかに真っ暗で何も見えない闇に落とし込まれる事があるかも知れないけど、そういうときにもこの「感覚の宝」が最後まで残って這い上がる足場になってくれると考えています。

「子どもん時、良くやらされたわー。毛糸の枷をを両手にかけて母が巻き取る手伝い」

そんな人が懐かしさもあってハンドワーククラブに顔を出す。
作れる楽しさや力を知っているから何十年もやったことがなくても試してみよう、新しい扉を開いてみようと言う気になる。

昔の人たちは生活のために仕方なくしていたと思うけど、それがなくなって実感が伴われない環境におかれている今、何十年後に「生きる力」が衰退するのではないかと危惧しています。
是非子どもさんがいらっしゃる方は「手足を使って感じる体験」をできるだけさせてあげて下さい。

どんな小さなことでも良いですから、できるだけ「元」から作って暮らしに生かす事。
今の私の考えでは高いゲーム機を買ったり3D映像を見たり有名進学塾に行かせるより何十倍も人生の効果があるはずです。

この前テレビで「世界の子どもの6人に一人が重労働につかされている惨状」の報告があったけど、「部屋中がおもちゃにあふれて毎日習い事に忙しく、週末も朝から晩まで塾のエアコンの効いた部屋で知育を強いられる子ども達」も多分同じくらいいて、親と社会のエゴで現在と未来の生きる力を奪われている点では同じだと思っていた。子どもが子どもらしく食べて遊んで生きることは想像以上に大事だと思う。

そんなことを感じて確信したクリスマス会のハンドワーククラブでした。

来年もみんなで生き生きとした体験を深めよう!今から楽しみ。
Comments (6)
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