季節の中で 暮らしの中で -Through the seasons and daily life-

現代の都会でプチ昔&田舎暮らし
-old & country style in modern urban life

付喪神

2016-10-08 20:58:29 | Art
甥っ子と美術館に行くシリーズ。
前々から楽しみにしてた。大妖怪展「土偶から妖怪ウォッチまで」
あべのハルカス美術館に行ってきました。
台風が過ぎたら涼しくなるって聞いた気がするけど、暑い一日だった。

内容をちょっとは想像してたんだけど、それをはるかに超える充実度。
本気で日本の妖怪の歴史をがっつりリサーチして素晴らしい資料を展示してあった。
数も多い。

古くをたどれば、地獄絵が妖怪の出てくる元だと言う。
地獄絵。結構あった。今まで、いろんなところで一つずつ観て来たけど、これだけ並んだらなんだかすごい。
そして室町時代ごろからもののけを言うようになって、江戸時代に妖怪界が花開いた。
やっぱり江戸がすごい。やっぱり国芳の浮世絵がすごい。
そして現代の妖怪。子どもに大人気の妖怪ウォッチまで。それも結構マニアックにいくつかのキャラクターが出来るまでのデザインがなんかも展示してあって、良く知ってる甥っ子にも、初めて観る私にもよく分かった興味を持てる展示だった。
妖怪ウォッチうまく考えてるなあと思った。 

私が一番感銘を受けたのが付喪神(つくもがみ)。
人が使った道具を手入れしなかったり大事にせずに放って置いたり、長い間使ったのに、感謝しないで捨てたりすると
道具に憑いた付喪神が怒って人間を苦しめるらしい。
こんなに可愛い絵になってる。この写真の左のやつ。

       

私も物にも魂が付くなあと思っていて、それで共感できる。
作る時にも魂が入る気もしてる。
物って人が作って、人が使った時点で、もう物だけのものではないのではと思っています。
そう思うと、今の世の中が物にあふれてそれを大事にしてないんだから、付喪神はきっと悪さをしているよ。

あと甥っ子も観た事なくて面白いって言ってたのが、体の中に居て病気を起こす虫(もののけ)の絵。
疳の虫とかお酒を際限なく飲ます虫とか。いろいろ姿かたちも面白かった。

百鬼夜行の図もいくつもあって、それぞれの説明を甥っ子から聞くのも楽しい。あの人ほんとによく知ってるわあ。妖怪の知識と経験で言ったら、かなりの研究者に入ると思う。
そこにもやっぱり道具が妖怪になった物が結構入ってた。

たくさんある素晴らしい絵を観ながら、歴史の中でずっとこうやって妖怪やもののけに関心がこんなにもある人が居たんだなあと。
それをこんなにも美しく精密に書くのが仕事な人が居たんだなあと。ただ感心する。
甥っ子、受け継いでいます。

会場を出たらグッズ売り場がまたかなりの充実度。
すごいわこれ。こんなに妖怪のグッズを作る人が居て、買う人が居るんだなあと。
ものすごく本格的なものが一杯。書籍もいっぱい。好きな人だったらどれも欲しくなるだろうなあ。
甥っ子もすごいテンションになってました。

私は甥っ子ほどは妖怪が好きではないんだけど、今日行って観てすごく楽しかった。
なんだかこの頃パッとしない日々が続いてて、鬱屈した気分だったんだけど、なぜか妖怪たちを観ていると、それがどんどん晴れて来た。
なんなんだろこれ?妖怪に負の気分を癒す力があるんだなあと。

少しでも妖怪に関心のある人だったら行った方が良いと思う。まだ11月までやってます。
Comment
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする