明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



私が戒めていることの一つに、発表の予定のないものは作らない、ということがある。今回出品する架空のボクサーは、結局ただ作っただけで、写真作品にはしたが展示は初めてではないだろうか。少々大きく作ったので個展では浮いてしまう。当時ボクサーは、たまに作りたくなるモチーフで、5体は作ったろう。必ず顔を腫らしていて、テーマはすべて“負けと思わなければ負けではない”である。ただ諦めの悪い奴といってはいけない。 それとこれも戒めなければならない悪い癖なのだが、今こんな物を作っているのは、地球上で私だけだろう、と自己満足に酔うことである。一人嬉々としているのはいいが、はたから見れば、人が作らないのは必要がないからだ。ということに気付いていない愚か者に見えるであろう。今回出品するトミー・ジョンソンなどその代表例である。これも以前作った同じジョンソンでも、ロバート・ジョンソンは、ブルースのみならず、ロックにまで影響を及ぼしている巨人だが、こちらの方は、恐ろしくマイナーである。残される写真も不鮮明な物が一点である。代表曲『クールドリンク・オブ・ウォーターブルース』。ギブミー、ガソリン~♪の後のファルセットが味わい深い。酒の飲みすぎで死んだのではなかったか?私も学生時代、近所の車からガソリンが盗まれると、私が夜中に飲んだんだろう、と冗談をいわれたクチであるので、気持ちは少々だが判らないではない。

人形展会期: 5月11日[金]-5月17日[木] 7日間 ※最終日18:30閉場
プランタン銀座 本館6階アートギャラリー

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