11日~17日の銀座プランタンの人形展には3体ほど出品する予定である。今回はすべて旧作の黒人のシリーズで、架空の人物を作っていた頃の、かなり旧い作品もある。 この作品の頃は、楽器はともかく、資料写真や実際の人物の観察など避けていた。人体模型を作るわけではないし、本当の事を一度知ったら頭から追い出すことはできないだろう。実際と違っていても、私がそう思ったことには理由があるはずだ、と、いかにも独流の考えに基づいていた。デッサンもろくすっぽやったことがなく、かたくなだった私も、写真撮影をきっかけに実在した人物を手掛けるようになり、人間の部分の詳細を知ってしまう。昔想像したたことの一部は当っていて、知ってしまったらもう出て行かない。よって初期のような作品はもう作れないわけである。 そうこうして実在した人物を作ってもう16年が経ってしまった。今思うと次の段階に行くには、どうしたって本当のことを知る必要があったのであろう。実際はただやってきたらこうなっただけの話である。。そして再び架空の像を作りたくなり、出版社に提案したのが制作中の作品である。どうせなら架空の生き物で行こうと考えた。また変化の予感がしているが、私のことだから、後でこういう理屈があり、なんて顔をするのだろうが、実際は何も考えていないのであった。
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