編集者とは未だに連絡が取れない状態である。小さな出版社に大ヒット作が生まれると、こういうことになるのが判ったが、付き合いが長い担当編集者は、電話一本ぐらいして来てこい、といいたいところである(いってる)。まあそうはいっても出版不況のこの御時勢に、目出度い話には違いない。 そんな状態なので、具体的に何を制作中かはいえないが、隔月のフリーペーパーならともかく、数ヶ月にわたり、奥歯に物がはさまったような状態でブログを続けるのはうっとおしい。なので『泉 鏡花』原作の作品であることだけはいってしまおう。私もワイルドである。作品名はいずれ。 鏡花作品は、作品によって、現在馴染みのない表現、鏡花独特のいいまわしにより、解説、脚注が添えられていないと、今、どんな場面が展開されているか、一度読んだだけでは判りにくい場合がある。私としてはその脚注をなるべく必用としないよう、ビジュアル化したいと考えている。 鏡花の作品は、たとえば江戸川乱歩のように、室内にこもって創作された物、と勝手にイメージしていたが、改めて作品を解読していくと、モデルとされる某地方の神社は様子がそのままだし、作中イメージされる芸能は、ある地方の、極ローカルな祭りを、どう考えても実際取材したとしか思えず、私の鏡花のイメージは、江戸川乱歩タイプから、普段人前ではかけない眼鏡をかけ、現場に出向いて律儀にメモを取る、三島由紀夫タイプに変じた。 というわけで少しずつイメージを固めつつあるが、そんなこと具体的に細かく描写して、私にどうしろというのだ?困った。今は考えるのは止めよう、ということ山積である。
過去の雑記
HOME