明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



一日探し物をしていてK本へ。隣に舞台俳優の今拓哉さん。制作中の本が完成した暁には、今さんに朗読してもらいたいと考えている。様々な声色を使える人なので、妖怪から翁、姫様まで、演じ分けてくれることであろう。世田谷文学館で乱歩のスライドを流しながらピアノの即興演奏と朗読のライブをやったが、数話てがけた分、1作ごとのカット数は少なかった。その点、今回は短編とはいえ、まるごと1話であるからカット数は多くなる。音が何か欲しいところだが、ユーモア小説である。何が合うのだろう。
T千穂へ。後ろに数人いる韓国人の中の一人がやたら声がでかい。おまけに間も空けずにずっと一人で喋っている。あまり間が空かないので、長い巻物でも読み上げているのでは、と振り返って確認したい欲求にかられた。かと思えば近所の銀行員の数人がまた声がでかい。しかも自分の女房をいかに評価してるかみたいな、恥ずかしい話である。そんな話は小声で話せ。幕末の頃だろうか、来日した欧米人の旅行記を読んだことがある。日本人は礼儀正しく清潔なことに感心しているが、それより印象に残ったのが、大きな声で喋っている人間がいない、ということである。大勢の人が集まる繁華な場所でさえソヨソヨソヨといった調子で会話が聴こえてくる。よって下駄の音がやたらと目立つ。いつからくだらない話を大声で話す恥知らずになったのか。まあ敗戦以後だろうが、他のアジア人の音量に追いつくのも間もなくであろう。日本人は国土の狭さと水の良さ、四季の変化の刺激のおかげで一味違ったと思うのだが、大分貯金を使ってしまった感じである。

去の雑記
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