明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



妖怪の甲羅を制作。彫刻刀で削っていると、よけいなことを想い出した。小学校低学年の頃、どこからだったか、亀をもらってきた。当時は大きく感じたが、甲羅が20センチ程度のものだったろう。これが良く逃げた。近所の連中に手伝ってもらって探すと意外に遠くに逃げている。そこで甲羅の端に穴を開け、鎖につないでおいた。そうこうすると、甲羅の亀甲模様がマス目に見えてくる。イニシャルを彫った。やり過ぎる傾向は今に始まったことではない。ペンキ屋の倅にペンキをもらって彩色した。インディアンみたいだといわれた。犬みたいに連れて歩くつもりだったが、そうするには歩くスピードが遅く、すぐ飽きてしまった。そういえば先日、ネットで1965年に13歳の少年が亀にイニシャルを彫り、その亀を今年父親が見つけた、というニュースを見た。この少年は裏に彫っていたが、私は表に彫ってしまった。実家の裏の家では、私が物心つくかつかないかの頃、池で捕まえた亀を未だに飼っているそうである。住所やフルネームを彫らないでよかった。なぎら健壱は酔っ払って、やはり亀の甲羅に彫刻刀でイニシャルを彫ったら彫りすぎて血が滲んでしまい、すっぽんみたいなつもりでチューチュー吸ったら生臭かったという。やっちゃいけないことは、なるべく早いうちに済ませておくべきだ、という話である。

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