明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



先日会った友人、パットン将軍の旦那の二等兵Sから、私が制作中の妖怪と同種の銅像が某所にあった、とメールをもらった。彼には先日、制作中の妖怪と姫様の頭部を見せたのだが、彼にいわせると私の作った姫が、某作家の人形に似ているという。どこが?そもそも先方は布製だぞ?ミソもクソも舐めてみないと違いが判らない男である。黒人の人形を制作していた頃、よくあったことだが、私の人形を真似した物をを売っている、といって連れて行かれると、だいたい量産品の土産物であった。以前某メーカーに弁護士を立てて製造中止にさせたことはあったが、それと違って共通点がどこにもない。連中には、これと私の作品が同じように見えているのかと眩暈がした。そういうことをいう奴に限って幼稚園からの付き合いや、高校の同級など、長い付き合いだったりするので、なおさら情けないのである。Sは、乱歩作品で私が作った黒蜥蜴に似ている。女性の好みが出るのだろう、などときいたふうなこともいう。そりゃ両方私が作ったから共通点はあろだうが。大分違う。おそらく彼と私とでは、同じ次元に生きているつもりで酒を酌み交わしているが、世界は違って見えているのであろう。そういえばKさんが酒場で藤あやこにソックリな女性と知り合った、と喜んでいるので会ってみたら共通点は目と鼻の数だけだった。ということもあった。Sは「人それぞれ見え方が違うから面白いんじゃねェか」。という。御説ごもっとも。仰るとおりである。ただ頼むから、他所で私の作品についてコメントしないでくれ。

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