明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



国技館内でMさんに、新作の人に非ずの頭部を披露したところ、普段自宅で見ているのと環境が違うせいであろうか、些細なことに気がついた。それは当初描いていた表情と、ちょっと違うな、ということである。不満があるわけではないし、イメージ通りに完成したと思っていたので、ほんのちょっとしたニュアンスである。そしてその理由が判った。(たぶん)  先日ツイッターで、昔の強豪レスラーが出演した映画の話題になった。昔から特異な容貌や体格を生かし、レスラーは映画に出演してきた。日本でも、例えば黒澤映画の『用心棒』に出てきた大男『羅生門綱五郎』は台湾出身で日本プロレスに所属したレスラーである。私は昔から巨人が好きなので始めて観た時はスクリーンに釘付けであった。東大の標本室に見学に行ったのも、出羽ヶ嶽文治郎の骨格標本を見たいがためであった。こちらは相撲レスラーだが。 それはともかく。話題に上がった映画は『Night and the City』  (50’)である。しかし、ここまでレスラーがどうの、といってきたが、実は関係がなく、『リチャード・ウィドマーク』である。独特の笑い声の、悪役を数多く演じてきた俳優である。日本語の吹き替えでは、なんといっても、ねずみ男(ゲゲゲの鬼太郎)ゴロマキ権藤(明日のジョー)の大塚周夫である。 私はTVでモノクロのハリウッド映画を観られた頃のファンであったが、この映像で久しぶりに観た。そしてどうもウィドマークのニュアンスが知らないうちに入り込んでいたようである。もっとも、他人が見たところで、そうかな、という程度のことであろう。この程度のちょっとしたニュアンスについてああだこうだ、やっているわけである。

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