エドガー・ポー2体の仕上げも進み、3体目のマント姿も明日中には乾燥を終え、間もなく着彩に入れるだろう。服は黒尽くめが多かったというので色で悩むこともない。 数日中に、できれば『大鴉』、さらに『モルグ街の殺人』用の室内を撮りにいく予定である。もしマント姿を室外で手持ちで撮影する場合、来週ならヒマだ、という友人Sを確保した。彼には何度も付き合ってもらったが、撮影中横に立っていてもらい、会話しながら撮影していれば、何かしら事情があるように見えて恥ずかしくない、という寸法である。さらに一仕事終えた後には、乾杯の相手に変わるわけである。Sがかみさんと電話で話しているのを見ると“電話の向こうにいるのはパットン将軍か?”と思うのだが、撮影開始を早めれば、飲んでいて遅くなり、パットン将軍から電話が来て、電話を替わってくれ、とSに哀願されずに済むだろう。こんな時、女の声色が使えたらなあ、と残念がりながら沈黙している。 鴉は『貝の穴に河童の居る事』(風濤社)で撮影したカットがあるが、改めて撮りに行くことになるかもしれない。あんな警戒心の強い鳥をどこでどうやって撮れば良いかと思っていたら、むしろ人が多く、ポップコーンや弁当を食べているところに集まることを知った。あのポイントに再度行ってみよう。ポーを手掛けるなら、鴉はいくらあっても良い。
※世田谷文学館にて展示中
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