明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



最初にジャズ、ブルースミュージシャンの人形を撮影して写真を発表した時、⑴壁や床や地面を作ってその前で撮影した。既存のジャズ写真を人形で模倣したかった訳ではないので翌年に作家、文士シリーズに転向。最初にとった手法は⑵人形を左手に国定忠次の刀のように捧げ持ち、右手にカメラで撮影して歩く“名月赤城山撮法”。⑶めったに出番はないが、人形に予めパースを付け造形、それを撮る。そして次は『乱歩 夜の夢こそまこと』(パロル舎)の出版である。名月赤城山撮法は、単に人形が手前にあるから背景の中で人物大に見える訳で、よって常に人形が手前に来る。しかしどのページも人形が手前にあるようではでは物語は描けない。何かの向こうに人間としての人形を配するには⑸合成を使用するしかない。出版直後から、都営地下鉄駅に置かれるフリーペーパーの表紙を隔月で4年担当した。都営地下鉄駅の周辺に特集人物を配さなければならないが、画になる場所は少なく、現場に、ただ突っ立った人形を持って行っても画にならない。そこで⑸先に背景を撮影し、それに合わせて人物を造形し背景に合成した。 そしてここへきて、⑹立体から、立体ならではの陰影ををあえて消すことにより、平面的背景、筆で描いた鬼火とさえも立体作品が共演可能となった。 振り返ってみると、人形という噓にさらに噓を重ねて自分なりのリアルを得ることに終始してきたような気がする。独学で習得した⑺古典技法オイルプリントもその一つの方法である。来月27日5名限定でにワークショップ開催決定。

HP

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