明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



明治の寄席をでっち上げるならここだろう、と思っていた場所で撮影。昔は数百人入る寄席もざらだったようだが。こじんまりと。ほぼこういうアングルで撮ろう、というのはすでに昨年から決めていたので、特に現場で悩むことはなかった。明治の夜景というと川瀬巴水の新版画の世界をイメージするが、巴水は月光映る川面を描いて素晴らしいが、家の中から漏れる灯りがまた素晴らしい。私が寄席を背景にした圓朝を考えた時は、新版画調の寄席にしたい、と考えており、帰宅後制作を続け、すでに7割完成した。 一つ迷っているのは、これを構想した時、まだ立体の陰影を消して絵画調にする、というのを実現していなかったので、これだけ室内からの明りがあると、いつものようなライテイングをせざるをえないだろう。その点巴水は、人物は風景の一部として小さく描いているだけでなので、巴水からは答えは得られない。今の段階では寄席の外観風景として、人物入れない方がいいんじゃないの?なんて思ってしまっている。困った。

HP

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