明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



明日の撮影にそなえ、イメージトレーニング。私が風景を撮影する時は主に人形の背景用ということになるが、今回は幽霊を登場させようというのだから、見たまんまの風景である必要はむしろない。深川の、幕末あたりから明治大正にかけての寄席の資料を見ると、各町内ごとに寄席が在るというくらいで実に多い。しかし明治時代の寄席というイメージだから通りも淋しく暗いだろう。 岡本綺堂が、子供の頃、本で読んだ『牡丹灯籠』がたいして怖いと思わなかったが、寄席で圓朝の口演を聴いたら怖くなって帰り道急いだという。舟の話をすると客が船酔いのようになった、というからそのくらい当然であろう。 福富太郎所有の鏑木清方作品に、寄席内部を描いた作品があり、圓朝出演中の看板が軒先に吊る下がっていて、中に灯りを仕込んだであろう看板には、圓朝の名前、大入りなど文字が書かれているので、これを参考に、こんな看板を軒先に吊るしたい。この辺りのイメージは、ここ数ヶ月の間に積み重ね、度々ブログに書いて来ているので、あとは現場でどうするか。である。できれば寄席を背景にしたカットは2カットはものにしたい。これで数ヶ月前に棚からぼた餅のように降ってきたカットは、高座上の圓朝を残すのみである。

HP

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