明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



先日、頭の中のイメージに陰影がないのに気付いてビックリしてしまったが、つまり江戸川乱歩先生曰くの“夜の夢こそまこと”の私のまことには、そもそも陰影がないということになる。頭の中のイメージを取り出すのが私の創作行為だ、などといっておきながら実に不誠実であった。せっかく石膏デッサンも十代の頃に30枚くらいしかやったことがないのに、そんな私ともあろうものが、ここがこうだったらここにはこんな陰影が、などと常識顔して長年やっていたことになる。 アンリ・ルソーが正確に陰影を描けたなら、あの世界はなかったろう。“あんたの頭の中にも陰影がなかったんだな”。よってたまに影を描いたと思ったら興味なさ気に申し訳程度である。陰影がないからこそ浮世絵同様、遠近感からも開放されている。これは整合性云々言われながらも、独自の世界を築いた江戸川乱歩の世界のような物で、陰影、遠近感を云々していたら乱歩の世界は理解できない。私は浮世絵師やルソーの絵筆と違い、まず立体を作るので、あくまで“身も蓋もないツール”であるカメラ、写真という手段でやるところに面白さを見いだしたい。間もなく人物写真でもこの手法を試すことになろう。そもそも陰影がないのだから不自然もクソもない。いよいよ私の念写も正確性が増してきたといえよう。
(明日夕方前には青木に出向く予定です。)

「一角獣の変身-青木画廊クロニクル 1961~2016」刊行記念展Ⅰ
2017.05/20(土)~2017.06/02(金)
平日11:00~19:00 日祝12:00~18:00 5/28(日)休廊

オイルプリントワークショップ参加者募集中。残り1名。
2017年5月27日(土)13:00~
アトリエシャテーニュ・オルタナティブスタジオ
オイルプリントについてはHPをご覧下さい。
HP

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