明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 

三日  


頭部を作る場合、完成時には撮影のシチュエーションはイメージ出来ているが、太宰は新たに制作するにあたり、どの角度から、どんな光で撮れば良いか考える。つまり頭部が、その表情がすべてである。そのためには、撮影した背景を左右逆転するなど当たり前である。そのポーズも共演者、背景、すべて表情を生かすためにあるといってよい。であるから、横の酌婦のポーズも当然それに基づいて考えることになる。 二時に、富岡八幡宮の鳥居の前で、かみさんと電話していると〝電話の向こうにいるのはパットン将軍か?〟のSと、これほどの女好きでなければ、もっと楽に生きられたであろう地方自治体勤めのI君と、待ち合わせる。さすがに何でも忘れる日本人も、ここを舞台の刃傷沙汰は、まだ生々しいらしく、深川不動に比べて、人は少ない。ポケットには太宰治の首。屋台で少々飲んだ後、初めて入るもつ焼き屋へ。 Sは介護の世界を目指し、勉強中ですっかり心を入れ替えたと思いきや、人はそう変わるものではないのであった。 今日はトラックドライバーの連中と飲むはずであったが、物流の話し以外内容がないし、いつでも会えるので今日はパスしたが、何と連中も初めて来たとあってしまった。一番の先輩が、先日酔っ払い、倒れているところを通報されて凍死を免れたような、救急車とパトカーを合計十回以上乗っている学習能力猿以下の人間で、その後輩も酒を飲むと癖が悪く、新春早々いきなり私の頭を叩く始末で、ろくな連中ではない、こいつらには、映像を撮って、素面の時に椅子に縛り付け、目を閉じられないようにして己らの姿を見せてやりたいのだが。

 

 

 

 

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