明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



『タウン誌深川』表紙用作品の背景がおおよそ完成した。この人物で深川をテーマとするなら、これをもって決定版とするつもりでやっている。まるで高田浩吉が三味線抱えて現れそうな風景である。 くつろいでいると、外で道路工事をしている音がする。アイデア浮かぶ。三島由紀夫の『男の死』で確認しているのは澁澤龍彦責任編集『血と薔薇』(薔薇十字社)に掲載された聖セバスチャン他数点で、後は証言から類推するしかない。石塚版とは趣旨は違うもののどうしても被らざるを得ないのがヤクザ者の死である。亡くなる直前、彫り物師に連絡取りながら果たせなかった三島の無念は私が晴らせた?しかし死んでいる所はまだである。そこでカメラを持ってアスファルトを掘り返しているパワーショベルのショベル部分を撮らせて貰った。気の良さそうな若者に話かけられ重機マニアを装う。余計なことは知らない方が彼のためである。 アスファルトの下からヤクザ者の死体が掘り出されるとはおかしな話ではあるが、そもそも私のやっている事自体がおかしな話なので、かまうことはない。人の死体が掘り出されたのに平然と作業する人達。こんな三島好みの人達に囲まれ死んでいるなんて。制服ならぬ作業服だけれども。

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『石塚公昭 幻想写真展 生き続ける作家た18年7/25~9/2 リコーイメージングスクエア銀座ギャラリーA.W.Pyoutubeこ
2016年『深川の人形作家 石塚公昭の世界』 youtube  

 『タウン誌深川』“明日できること今日はせず”連載12回『大つごもり 樋口一葉



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