明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



芭蕉と共演予定のオブジェは、北斎の背景と同様、撮影不可と思われたが、さっさと短時間で撮り終えろ、とまるで盗賊の手引きをする実は一味の番頭からのようなメールをもらった。 好きな本の書影をアップするというブックバトン二日目で昭和44年講談社江戸川乱歩全集第一回配本屋根裏の散歩者をアップした。乱歩はまだ生きていた。人からの又聞きで15歳の時に好きだった物は一生好きだ、乱歩と谷崎についてはよくそういっていたのだが、12歳の時だったことが発覚。どうりで小遣いが足りずに続かなかった。大人向けの乱歩は初めてであったが、この第一回配本は乱歩のの短編の名作が並んでいる面目躍如。白昼の笑顔が怖い事など初めて知った。 装画は横尾忠則さんで、変わった絵だなと思ったが、読後にまさに江戸川乱歩の世界だとビックリした。横尾さんにお会いした時にこのボロボロの本にサインをいただいた。 薔薇十字社の男の死は、元々三島と横尾さんの二人の写真集になるはずであった。企画者の内藤さんは一人では三島が引き受けないと考えたと伺った。横尾さんが怪我をして、その間に三島が自分の分を撮り終えてしまったのであった。三島には待っていられない事情もあったし。







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