明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



ウチにいる太宰は当初虫が好かない男で、苦労もさんざんさせられ、おかげで一時は引っ越しに伴い、その首は廃棄寸前に至った。段ボール箱を前に一瞬躊躇した。捨てるのはいつでもできる。それが今ではウチのエース格に躍り出るかもしれない、というところである。作っている私も現金なたちであり、高校の時、耐えられずに映画館から出てきた小津安二郎も、今では好きな監督の一ニを争っている。人は変われるうちが華である。下駄を履かせる予定だが、撮影ではそこまで写らないので後回しにして、着彩を明日にして、とりあえず。うまく運べば撮影も済ませ完成である。 公開から数年たち、監督も亡くなったが11・25自決の日三島由紀夫と若者たちをようやく見た。三島事件を描いた作品。肝心の三島と森田がミスキャスト。学生長が三島より老けている。三島の美ということに爪の先程も触れずに映画を一本作ってしまった。まあ片寄っているという意味では、私に言われたくないだろうけれども。

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