午前中、野暮用で時間を取られ疲れる。一眠りしたいところだが、そのままバスで東京駅丸の内口へ。『ジュリア・マーガレットキャメロン展』。オイルプリントの再現のため孤軍奮闘している頃、写真の歴史書など随分読んだが、必ずでてくるのはマーガレットキャメロンである。当時女性の写真家は珍しかったろうが、他とは一線を画すアプローチに魅かれた。 美しいプリント。ピントはほとんど目にあっておらず、独自のイメージに基づいてシャッターを切っている。 “厳しい批評家たちは、真実を写すものと考えられていた写真を想像上の主題を描写するために用いたとしてキャメロンを攻撃した。”とどのつまりはこれだろう。私はこの写真という用語を蛇蝎のごとく嫌い、まことなど写したくないし、画面の中からできるだけ排除したい。とブログでもことあるごとに書いている。 マーガレットキャメロンは自分の美学に固執する一方雑なところもあり、男達がアドバイスするが、どこ吹く風。自分にとって肝心なことが実現していれば良いし、必要のない技術は身につけないように心がけている私には痛快である。私が魅かれる写真家は女性が多い。というより写真に反映される男性的な部分が苦手である。
HP