夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

馬は人々の夢を持って駆ける

2006年06月04日 17時59分01秒 | Weblog
 競馬はえてしてギャンブルの観点で語られるが、馬を育てること、馬と(で)生活するということはさまざまな夢を人々は描いているものなのであろう。
 「雪に願うこと」は、世界でもただ一つの馬力レース、ばんえい競馬が舞台。学は田舎が嫌でたまらず東京に出て、会社を興していたが、突然帯広に戻ってきた。兄の威夫はばんえい競馬の元騎手で今は厩舎を経営している。競馬開催中に厩舎に入ってきたものは、開催終了まで外に出てはいけない規則があるため、学は厩舎で厩務員として働くことになる。学は、ある一頭の馬を世話することになる。もう、レース馬としては終わりを迎えるかもしれないその馬に、学は魂を吹き込む。
 学が東京に戻る日、学が世話してきた馬が命運を賭けたレースに臨もうとしていた。
 単に、都会の若者が都会に疲れて田舎に帰ってきて、癒されて都会に戻って行くという物語ではない。その場所で生活していかなければならない人々のあり方をきちんと描き、その中で人が成長していく過程が描かれているのである。大げさな仕掛けはない。ただ、人々の夢を持って、馬は走る。