夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『赤線地帯』(溝口健二没後50年特別企画)

2006年12月10日 17時30分18秒 | Weblog
 ヴェネツィア映画際で3年連続の国際賞受賞という偉業を達成し、世界にその名を轟かせている映画監督・溝口健二。没後50年となる今年、「溝口健二の映画」が連続上映されている。
 「赤線地帯」は、溝口監督の遺作となった作品。一夜の快楽を求めて吉原にやってくる男たち。体を売ることで生きている女たち。さまざまな事情を抱えながら、赤線地帯で力強く生きる女たちだが、時は、売春防止法案成立に向けて動き出していた。
 売春防止法廃案を望む経営者、生活基点を無くすのが怖くて、売春から離れて生活することができない女たち。売春婦を母に持つ子どもの視点…と、いろいろな立場での視点が据えられている。何が正しいのか、人権とは何かの一つの答えを導き出す方向には映画は描かれていない。観る人にその判断は委ねられる。売春防止法が成立して50年が経つ。女性の生き方はどれだけ変わってきたのだろうか…。
 キャストは、京マチ子、若尾文子、木暮実千代、三益愛子など。梅田ガーデンシネマ、シネプレックス枚方で上映(10作品を12月22日まで入れ替え上映)。