夢千代日記

SHIMAちゃんの徒然日記・雑記

『ぼくたちの家族』

2014年06月02日 10時59分18秒 | Weblog
アニメ世代、ゲーム世代の若い人たちにどのように劇場へ足を運んでもらうのか?
というのは、昨今の課題なのだと思う。劇場で一体となって楽しめるアニメ映画というのも確かにいいかもしれない。テレビ系映画も気軽に観ることができて、劇場に行くきっかけの作品としては悪くない
でもね、そればかりじゃ困るのよ。ちょっといろいろ思考しながら観ませんか?

映画らしい映画を、スクリーンでみましょ。

若菜家は郊外に一軒家を構えているが、玲子の夫の事業は自転車操業の状態にあり、ローンをかかえ、暮らしは楽ではない。長男の浩介は結婚し、浩介の妻は妊娠したというが、玲子との仲は良いとは言えない。次男の俊平は大学生だがいつも玲子からお金を無心する楽天家である。

そんなある日、玲子の様子がおかしくなる。記憶力が落ち、気分にムラがあるようになってきたのだ。慌てて病院で検査すると、脳腫瘍であると診断される。なんとあと一週間で亡くなっても不思議はないという。
昨日まで元気だった母…。そばにいて当然の家族がいなくなってしまう怖さが迫ってくる。自分に対する怒り、いらだち。そういった気持ちと向き合いながら、浩介と俊平は最後の〝悪あがき〟を見せる。

誰でもが直面する、いまそこにある物語。受け入れないといけないこと、向き合わないといけないことは誰にでもある。でも、頑張ると光は差してくるんだと思いたい。

若菜家の長男には妻夫木聡、母は原田美枝子、父には長塚京三、次男の俊平は若手の注目俳優・池松壮亮がつとめている。エンドロールは、この家族のキャストが横一列で表示される。監督は『舟を編む』の石井裕也。今作も日常を切り取った作品で、秀作である