イギリスの古典的小説で、これまで何度も映像化や舞台化がされている「ジェーン・エア」。
今回は主演であるジェーン・エアとヘレン・バーンズ役を上白石萌音と屋比久知奈でダブル
キャスト。相手役のエドワード・ロチェスターを井上芳雄が演じている。当方が観劇したの
はジェーンが上白石萌音でヘレンが屋比久知奈の上演回。
そして、この舞台には演者を間近で観ることができる“オンステージシート“が用意されてい
るが、当方はその座席の下手側2列目での観劇となった。演出は井上芳雄、上白石萌音作品
ではすでにおなじみの世界的演出家・ジョン・ケアード。
1840年代のイングランド。父母を亡くしたジェーン・エアは、伯母のミセス・リードに引き
取られる。だが、率直な物言いで媚びることをしないジェーンを、伯母は目の敵にし、いと
こにもいじめられ、不遇な幼少期をおくることに。
そして、ジェーンを疎ましく思う伯母は、規則が厳しいことで有名なローウッド学院に送っ
てしまう。学院では理不尽な仕打ちに怒りが震えるジェーン。そんか彼女にヘレン・バーン
ズは“赦し“を教える。学院での厳しい生活の中で、やがてジェーンとヘレンは親友となり、
かたい絆で結ばれるが、ヘレンがはやり病にかかってしまい、若くして天国へ旅立つ。
8年後、ジェーンは学院で教師をつとめる立場となっているが、自由を求めて学院を離れる
ことを決める。木々に囲まれた広大な屋敷、ソーン・フィールド・ホールに赴任したジェ
ーンは、主人のエドワード・フェアファックス・ロチェスターの被後見人である少女、ア
デールの家庭教師となる。
ロチェスターは風変わりで皮肉ばかり言う嫌な男。だが、ジェーンは彼の孤独や自分と似
ている雰囲気を感じとる。そんなジェーンをロチェスターもまた、、、。
やがて、心惹かれて行くふたり。だが、この屋敷には夜中になると聞こえてくる謎の声が
あったーー。
イギリスの当時の背景を持つ小説、演出もまたイギリス出身のジョン・ケアード。この作
品を大切にとても大切に創っているのが伝わる。キャストは何役もこなし、劇場も小さめ
だ。井上芳雄は言うまでもなく、上白石萌音はときに優しく、ときに激しく、ときに悲し
く、ときに母性豊かに歌う。このコンビのチケットは本当に取れなくなっている。
そして、オンステージシートでの観劇はというと、前列と最後列以外はあまり見えないか
も。少なくとも前から2列目は、前列の人の後頭部の間からキャストがたまに見えるとい
う感じだった。いいんだか悪いんだかよくわからん座席だ(╯︵╰,)そんな思い。だが前半
ラストに歌うロチェスターとジェーンの“セイレーン“を聴いたあと「何このふたり!!」
とふっとんだ。よく観ると、演者の細かな指づかいや表情も観れるし、舞台裏も垣間れる、
オケピも観れると気持ちを改めて。
ただ、ラストシーンは!ラストシーンだけは!、正面から観たかった。ということで、オ
ンステージシートと一般席の両方で鑑賞するのが一番いい。が、チケットは取れないし、
高額チケットなのでどちらかにはなってしまう。
ちなみに、最後列はカーテンコールのときに特別なものが見えたのではないかと思う。
出演はほかに、春野寿美礼、神田恭兵、折井理子、大澄賢也、春風ひとみなど。
オンステージシートは一般席より、高額。そのぶん、専用の黒めのマスクがついてくる。
ドレスコードも黒、黒に近い服装の条件があった。屋比久さんのヘレンも素晴らしかっ
た。見事な歌声でした。
また、すぺての公演でミルキーを配布してくださっている、不二家さんと上白石さん、
ありがとうございます。喜んでいただきました!
東京芸術劇場プレイハウスで3月11日〜4月2日まで公演のあと、大阪の梅田芸術劇場シ
アター・ドラマシティにて4月7日〜4月13日まで公演している。
蛇足ではありますが、足を負傷し松葉杖をついた私に寄り添って、出入りから座席着席、
移動まですべてを見守ってくださった梅田芸術劇場シアター・ドラマシティのスタッフ
のみなさま、ありがとうございました。また、会場のオンステージシート受付の待ち合
わせで、私のことを気にかけ、親切にしてくださったご婦人にもお礼を申し上げたいで
す。終演後、再び会うことがかないませんでした。他の舞台作の話ができて短いですが、
楽しい時間でした。