2013年10月、高齢者売春クラブが警視庁に摘発された。クラブの会員数男性1000名。
女性350名。最高齢は88歳。
まさに、超高齢社会の日本が抱える問題と不安が入り交じった事件がモチーフ。
まるでシェアハウスのように仲間がいて、老若男女が集まりワイワイしているような家
がある。佐々木マナ(岡本玲)は、高齢者専門のコールガール「茶飲友達(ティーフレ
ンド)」を設立。新聞の三行広告に「茶飲友達、募集」と掲載し、希望する男性の元
へ高齢女性を派遣するビジネスを始めた。
在籍する通称“ティー・ガール”たちの中には、介護生活に疲れた女性、ギャンブル依存
の女性、窃盗癖のある女性など様々な事情を抱えた者がいる。一方で、マナと共に「茶
飲友達」を運営する若者たちもまた、閉塞感のある社会の中で何かを抱えて生きている。
そんな彼らをマナは「ファミリー」と呼び、疑似家族のような絆を育んでいた。
“ファミリー”と寄り添いながら、自身も孤独を抱えて生きるマナを、朝ドラ「純と愛」
「わろてんか」や映画『弥生、3月ー君を愛した30年』などで幅広く活躍する岡本玲。
監督は、2021年公開『ソワレ』を手がけた外山文治が務めた。”疑似家族”である高齢者
売春クラブを通して、現代社会の閉塞感や孤独感、貧困問題がギュッと詰まった作品。
笑うことろは全くないが、おもしろい。物語が進めば進むほど内容はリアルに。そし
て”疑似家族”の終わり方は…。正義と悪、必要悪? 需要と供給? WIN×WINの関係?
言葉は適切ではないが、すべてにおいて考えさせられる。
本作は、ENBUゼミナール「シネマプロジェクト」が手がける第10弾作品。上田慎一郎監
督作品『カメラを止めるな!』など、商業映画とは一線を画する刺激的な映画を作り出し
てきている。インディーズ映画ファンの中では、すでに注目を集めている作品である。
出演は他に、渡辺哲、磯西真喜、海沼未羽、佐野弘樹など多数いるが、それぞれに重要
な役割を担っている。
(十三・セブンシアターにて)