戦後の焼け野原になった日本。特攻隊員だった敷島浩一(神木隆之介)は戦争か
ら戻ると両親が亡くなっていた。生きて帰った敷島を息子が戦死した隣家の澄子
(安藤サクラ)がなじる。
ある日、闇市を訪れた敷島は、子どもを連れて逃げる典子(浜辺美波)と出会う。
敷島の家に居ついてしまう典子。そして、生活を落ち着かせるために戦後の特殊任
務についた敷島の前に、ゴジラが現れる。
日本製作実写版ゴジラ映画通算30作目。ゴジラ生誕70年の記念映画である。
正直、前作がおもしろくなく、あまり期待していなかったのだが、楽しめた。ゴジ
ラ作品として考えなくていいぐらいに。この映画は当方にとっては、終始“戦争映
画”だった。なぜか、泣く。
ダーダダッダダーダとゴジラ登場の勇ましい曲は流れるのだが、それぞれの人物
の戦争の終わり方。終わりと向き合うということのように捉えて、その思いから出
ることはなかった。だが、この映画は“ゴジラ”。今後、まだまだ登場し日本を脅か
すに違いない。
神木隆之介と浜辺美波は朝ドラ「らんまん」よりこの映画撮影が先。しかし、す
でにものすごい“夫婦感”あり。浜辺美波は力強い、どっしりとした演技ができるよ
うになっていて、戦後の強い女性を演じていてもしっくりくる。そこはかと流れる
“姉さん女房感”はいったいどういうことだろう。
ワイヤーアクションも頑張りました
敷島とともに特殊任務を行うメンバーには、吉岡秀隆、佐々木蔵之介、山田裕貴。
海軍航空隊整備士を青木崇高が演じる。それぞれの戦争への思いを胸に、ゴジラと
戦う。
監督、脚本、VFXを担当したのは『ALWAYS三丁目の夕日』『永遠の0』の山崎貴。
カラー版とモノクロ版があるが、当方が鑑賞したのはカラー版。カラー版はゴジラ
の背中にできる“棘”の出方は色が変わるのでよくわかるが、戦後設定であるという
ことを考えればモノクロの方もいいのかもしれないと感じた。