翻訳者であれば誰もが思うことだが、誤訳する可能性が高いのは簡単な動詞表現だ。意味がたくさんあり、状況によって使い分けられるからだ。
makeは間違いなくそのひとつだ。
この動詞は自動詞と他動詞で使われるが、「(発達して…にとって)…になる」という意味で使われることがあるので、注意しよう。
次のような形で使われる。
○Practical Point
He will make an excellent translator.
「彼は立派な翻訳者になるだろう」
この例文を見て、冷や汗をかく人も少なくないと思う。
●Extra Point
もう一例上げる。
◎Extra Example
She will make a good wife.
「彼女はよい奥さんになるだろう」
上の用例はどちらも「自動詞」と考える人もいる。
☆Extra Extra Example
「…に(一員として)地位を得る」の意味でも使われるので注意しよう。
★Extra Extra Example
Ryosei made the team.
「遼成はそのチームの一員に選ばれた」
英語はとてもむずかしいし、翻訳をするのであれば、とにかく①英語の読書量を圧倒的に増やし、②実際に翻訳してみる、そのうえで③信頼できる辞書にいくつかあたって、用例を確認してみることが大事だ。①②③の順番通りにすることが望ましいし、翻訳学校に通うとしても、それを実際に見せてくれる人について学ぶのがいいと思う。
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Avengers, assemble!
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『アベンジャーズ エンドゲーム (ディズニーストーリーブック) 』本文より
ついにこの時が来た。キャプテンが声をかける……。「アベンジャーズ……。」
ソーが地球最強チームのリーダーのわきに舞い降りる。バン! キャプテンの右手 に、魔法のハンマー、ムジョルニアが飛び込こむ。
「……アッセンブル。」
「おお!」「うおお!」キャプテンのこの掛け声とともに、アベンジャーズがサノス率いる大軍団に向かって駆け出す。
アベンジャーズのヒーローたちが地上を駆け、空を飛び、戦闘機を操縦して、サノス軍に挑みかかる……。 (本文より)
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ギュ―――ン! アイアンマンは地上に舞い降りて両手からビームをあらゆる方向に発して敵を次々に倒していくが、5年前にニューヨーク都市部でも戦った巨大なカル・オブシディアンに吹っ飛ばされ、鋼鉄の槍を突き刺されそうになる。
シュッ! だが、鋼鉄の巨人はウェブに引っ張られて仰向けに倒れ、それよりもはるかに巨大なアントマンにぐしゃりと踏みつぶされた。
「ねえ。大丈夫?」ピーター・パーカーが声をかけてトニーを立たせる。このアイアンスパイダーがカル・オブシディアンをウェブでひっくり返したのだ。「びっくりだよ、覚えてる? 前に宇宙に行ったとき、ぼく気絶したでしょう? で、目が覚めたらみんないなくなってた。」少年はトニーを前にして興奮して伝える。「でもドクター・ストレンジがこう言ったんだ。『5年経ったぞ。出番だ。』って。で、黄色のキラキラするやつをクルクルまわしてさ……。」
トニーはピーターの話をじっと聞いていたが、たまらず胸に抱きしめる。どれだけきみに会いたかったか……。きみはぼくの息子だ……。
「どうしたの?」ピーターは状況がわからず、自分を強く抱きしめたトニーにたずねる。
トニーたちにとっては5年だが、ピーターにとってはほんの数時間だったのだ。
「なんかいいね。」そう言って、自分も相手の背中に手をまわす。(本文より)
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スティーブ・ベーリング (著), アンソニー・ルッソ (著), ジョー・ルッソ (著), 上杉 隼人 (翻訳)
『アベンジャーズ エンドゲーム (ディズニーストーリーブック) 』
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最後の戦闘シーン、すべて文字で再現しました。どうかご期待ください。
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スティーブ・ベーリング (著), ジョン・ワッツ (著), 上杉 隼人 (翻訳)
内容紹介
スパイダーマン映画史上、最高の興行収益を叩き出した最新作を世界最速でノベライズ化!
高校生ヒーローのスパイダーマン/ピーター・パーカーは学校の「科学史ツアー」で片想い中の女子・MJとの距離を縮めようと画策するもヴェネツィアで謎の巨大な怪物が現れる! 戦おうとするピーターだが、そこにスーツを着た謎の新ヒーロー・ミステリオが飛来し、魔法とも科学ともつかない力で怪物を撃退。ミステリオからピーターは、彼の世界を滅ぼした「エレメンタルズ」がこの世界も狙っていることを告げられる。シールド元長官のニック・フューリーも現れ、新たな戦いへと巻き込んでいく――。
ピーターが選ぶのはMJとの恋愛か、トニー・スタークから託された『鉄の意志』か、それとも…?
著者について
■訳者
上杉隼人(うえすぎはやと)
翻訳者(英日、日英)、編集者、英語教師。訳書に『アベンジャーズ エンドゲーム』『スパイダーマン:スパイダーバース』『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』『マイティ・ソー バトルロイヤル』『スター・ウォーズ 最後のジェダイ』『スター・ウォーズ フォースの覚醒』(ディズニーストーリーブック)、『スター・ウォーズ』I, II, III, IV, V, VI(講談社文庫)、『STAR WARS クリーチャーズ&エイリアンズ大全 制作秘話と創造の全記録』『マーベル最強ヒロイン ファイルBOOK』 (講談社)、ジョン・ル・カレ『われらが背きし者』(岩波現代文庫)、『若い読者のための宗教史』『21匹のネコがさっくり教えるアート史』(すばる舎)ほか多数(60冊以上)。
http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000325732