――右翼の軍国主義者安倍晋三の特定秘密保護法案・秘密指定は既に始まっている――
右翼の軍国主義者安倍政権が国防・外交・安全保障関係の重大問題について情報収集・情勢分析から中長期の戦略立案、緊急時の政策決定までを行うとしている安全保障機関である「国家安全保障会議(日本版NSC)」の設立を目指し、この日本版NSCを運営・機能させる目的の国家の安全保障上特に秘匿が必要な情報を「特定秘密」に指定、漏洩した場合の公務員らに最高で10年の懲役刑を科す等の規定を盛り込んだ「特定秘密保護法案」の成立を両者一体的に目指しているのはご存知のとおりである。
自民党議員の小池百合子が10月28日の衆院国家安全保障特別委員会でこの「特定秘密保護法案」に関連した質問の中で、複数のマスコミが日々伝えている「首相動静」に対して国民の知る権利を超えているとして秘密指定の欲求を示したという。
発言の主なところは横着して、次のインターネット記事から採録、そのまま利用することにした。《首相動静は「知る権利を超えているのでは」小池百合子元防衛相が指摘》(THE HUFFINGTON POST/2013年10月28日 18時33分)
既にご存じの方は大勢いると思うが、「THE HUFFINGTON POST」なる名前を私は知らなかったから、調べてみた。読みは「ハフィントン・ポスト」。アメリカ合衆国のリベラル系 インターネット新聞だそうで、日本版をハフィントン・ポストと朝日新聞が合弁で運営、20113年5月7日にオープンしていると言う。
小池百合子「私、毎日、新聞に首相の動静とかですね、何時何分に誰が入って、何分に誰が出てとか、必ず各紙に出ていますね。私は、これは知る権利を超えているのではないだろうかと思いますし、また中にはですね、自分は首相に近いからそのことを見せつけるためにわざわざ総理官邸に行って書いてもらったりですね、ぜひこのレストランには来てくださいみたいなそんな風に使われているようなところも無きににしもあらずでございますけれども。
(中略)
諸外国のですね、首相大統領の動静ということで、国会図書館にお調べいただいたのですが、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスの主要な新聞15紙を調べていただいたものでございましてね。結果はいわゆる首相動静のような記事を日々掲載しているものは確認できなかったんです。アメリカではワシントンポストがwebサイトで日々のオバマ大統領の動向を掲載しているというのがあるんですが。いわゆる日本のような詳細なものではございません。かつ、2012年の6月20日を最後に更新をされていないということでございます」――
記事はこの発言以下は解説する形で紹介しているが、他のWeb記事から発言自体を引用する。
小池百合子「日本は機密への感覚をほぼ失っている平和ぼけの国。首相動静とか各紙に出ているが、国民の知る権利を超えているのではないか。何を伝えてはいけないか精査してほしい」(TOKYO Web)――
諸外国では指導者の動静を伝えないのが一般的だから、日本でそれを伝えているのは「平和ぼけの国」だからこそであり、「国民の知る権利を超えているのではないか」との趣旨となっている。
要するにマスコミが日々伝えている「首相動静」は国民の知る権利を超えた高度の国家機密であり、当然、特定秘密保護法が成立した場合は秘密指定にすべきではないかとの欲求を露わにしている。
但し、諸外国では一般的ではないことのみを基準にして日本も諸外国に倣って、一般的ではないことにすべしというのは単細胞に過ぎる。その欲求には国情を条件として入れていないからだ。
社会を恐怖と混乱に陥れる大規模なテロが時折り発生し、そのテロが国家指導者に及ばない保証はなく、常に及ぶ危険性を抱えながら、その危険性を想定して高度の警護を怠るわけにはいかない諸外国の国情とテロに無縁な日本の国情とは自ずと異なる。
また無縁であっても、それなりの厳格な警護を施しているはずだ。
勿論、今後テロが発生しない保証はないし、そのテロが日本の首相を標的としない保証はないが、「首相動静」はあくまでも既に行われた過去の出来事の報道であって、今後行う近い将来の予定行動を逐一伝える報道ではない。
テロ犯は過去の出来事にどう先回りがすることができると言うのだろうか。
テロ犯がタイムマシンに乗って過去の世界のある一日に潜行して、その日の首相の行動を過去の出来事から未来の出来事に変え、現実の世界で手に入れた「首相動静」の情報に従ってその行動を追い、テロを仕掛けるという映画の話しなら、過去の出来事への先回りも可能となる。
いわばマスコミは「首相動静」でテロを行おうと先回りすることは不可能な時間のみを記しているに過ぎない。このような情報を「機密」だと言って、特定秘密指定にすることができるのだろうか。
毎日のように一定の時間内に一定の行動を繰返し行う場合は「首相動静」から読み取ることができ、先回り可能となるが、その唯一の予定行動は首相公邸から、途中どこにも向かわずに直接首相官邸へと向かう朝の時間帯の出勤ぐらいのものであろう。
一般的には首相に就任すると首相公邸に住み移って、同じ敷地内にある首相官邸へと出勤するが、それなりにテロに対する警備は万全な備えを施しているはずだから、敷地内の移動に関しては、それが一定の時間内の一定の行動であったとしても、「首相動静」はテロ犯の先回りの情報足り得ない。
但し右翼の軍国主義者安倍晋三の場合は渋谷区富ヶ谷にある私邸から千代田区永田町の首相官邸まで通っている。「首相動静」が伝えている朝の時間帯に私邸近くで見張っていたなら、テロ攻撃のターゲットにすることは十分に可能となる。
だが、現実には既に行われた過去の出来事の報道である「首相動静」の情報の内、予定行動であると解釈可能な一定時間内に日々反復されるほんの一部分の情報を取り上げて、そのような情報を許しておくことは「平和ぼけの国」だと言うなら、首相公邸に住まずに私邸から朝の時間帯に出勤することで容易にテロ攻撃を誘発し得る右翼の軍国主義者安倍晋三こそが「平和ボケ」と言わざるを得ない。
右翼の軍国主義者安倍晋三が首相公邸に住まずに私邸からの出勤としているのはパトカーに先導されて車列を組んで走る、その物々しさの演出者である自分が一台の高級車の後部座席にゆったりと座っていることによって何か融通無碍のオールマイティを手に入れた大層偉大な人物となったような高揚感に浸ることができる得難い至福の時間帯となっているからではないだろうか。
少なくとも首相公邸から徒歩での首相官邸への朝の移動では決して味わうことのできない毎朝の高揚感であるはずである。
小池百合子が前日の、あるいは午後から見て午前という過去の首相行動の報道でしかない「首相動静」さえも成立した場合の「特定秘密保護法」で特定秘密に指定したい欲求を抱えているのである。その恣意性と「特定秘密保護法案」では特定秘密の指定が妥当かどうかチェックする仕組みはないこと、さらに右翼の軍国主義者安倍晋三の国家最優先の国家主義とを考え併せると、国家優先の立場から「国民の知る権利」を無視して、小池百合子の恣意性を安倍晋三までが担わない保証はない。
そもそもからして安倍晋三は「特定秘密保護法」の成立を待つまでもなく、既に恣意的な秘密指定を行っている。飯島訪朝の経緯と結果について何ら「国民の知る権利」に応えていない。
これは「国民の知る権利」を無視した恣意的なある種の秘密指定と言うことができる。
いわば秘密指定は既に始まっている。
このこと一つを取っても、「特定秘密保護法案」が成立した場合、特定秘密の指定が妥当かどうかチェックする仕組みがない以上、その法律を楯に自らの恣意的意志の都合に任せて、「国民の知る権利を超えている」からと理由をつけて小池百合子並みの秘密指定に走らないとは決して言えない。
秘密指定の乱用は同時に「国民の知る権利」に対する侵害以外の何ものでもない。成立した場合の「特定秘密保護法」が指定妥当性検証のチェック機関の不在によって秘密指定が「国民の知る権利」に対する侵害と隣り合わせとなるということである。
10月25日午前、民主党は特定秘密の指定が妥当かどうかを裁判所がチェックできるようにする情報公開法改正案を提出している。同日午後の民主党代議士会での海江田代表の発言。
海江田代表「(「特定秘密保護法案」は)多くの問題がある。特定秘密の対象となる情報が不明確。
閣僚が特定秘密を指定する際に第三者機関によるチェック機能がない」(日経電子版)――
裁判所ではなく、国会自体に責任を持たせるべきではないだろうか。国会に与野党同数の議員と第三者の有識者数人をメンバーとした検証委員会を設けて、秘密指定の妥当性を検証する。
余程の事案でなければ秘密指定はできなくなる。
秘密指定した事案の情報をメンバーの議員や有識者が漏らすような責任感のなさを見せるようでは、国家の程度を世界に知らしめることになる。当然、メンバー自体も指定された秘密を情報公開の日まで数十年と守らなければならない。秘密指定した情報の重大性と責任の重さを痛感することになるだろう。
裏を返すと、生半可な事案は秘密指定できないということである。