滝川クリステルの五輪招致最終プレゼン「失くしても戻る現金」は何が根拠なのか、猪瀬都知事のヤラセか

2013-12-01 06:48:34 | Weblog


 
 2020年夏季オリンピック開催都市決定が行われる9月7日(2013年)のアルゼンチン・ブエノスアイレスで開催IOC(国際オリンピック委員会)総会での最終プレゼンテーションで、一語一語区切った「お・も・て・な・し」の言葉と胸のところで手を合わせて拝むよに深く頭を垂れたポーズで有名となった滝川クリステルに関する次の記事に興味を持った。

 《五輪プレゼン「なくしても戻る。現金でも」 実態は…》asahi.com/2013年11月30日13時31分)

 滝川クリステル「もし皆さまが東京で何かをなくしたなら、ほぼ確実にそれは戻ってきます。たとえ現金であっても」 ――

 〈2020年夏季五輪招致の最終プレゼンテーションで世界へアピールした「にっぽんの心」を裏付けるものとして紹介されたのが、1年で約30億円もの現金が東京都内の警察署に落とし物として届けられるという事実だった。でも、実態は……。 〉と解説している。

 しかし実態は、「続きを読む」となっていて、会費支払会員でなければ、覗くことができない。

 但し頭が蛍光灯に出来上がった判断能力しかなかったから、「実態」を考えたことがなかった。

 記事は「現金の遺失届と拾得届の金額の推移」と「2012年の拾得物の上位5品目(多い順)」のグラフが挿入されているが、前者は金額の目盛は付いているが、目盛が20億円単位で、実際の金額は目安でしか分からない。

 実態を調べてみようと、インターネットを探してみた。《平成24年中遺失物取扱状況》(警視庁HP)に詳しい資料が載っている。
  
 「年次別届出に係る現金の総額(拾得届現金・遺失届現金)」のグラフだけを見てみる。

 平成24年は「遺失届現金」84.1億円に対して拾って届けた「拾得届現金」が29.8億円に過ぎない。35%しか届けられていないだから、「ほぼ確実にそれは戻ってきます。たとえ現金であっても」は何を根拠に言ったのだろうか。

 記事は「にっぽんの心」の一つの象徴して譬えたとしているが、これがガセネタ(デタラメな情報)だとしたら、ガセネタに基づいた「にっぽんの心」の証明ということになる。

 尤も「にっぽんの心」も最近は日本特有の“オモテナシ”の裏で津々浦々と言っていい程のあちらこちらで繰り広げられていた食品偽装やその他の偽装で大分怪しくなっていて、「にっぽんの心」自体がガセネタではないかと疑わしくなっている。

 落とした現金が戻る話は猪瀬都知事がロシア・サンクトペテルブルクで開催された第1回なのか、第2回なのか、2020年五輪招致プレゼンテーションで既にご披露に及んでいる。

 猪瀬都知事「もし皆さまが東京で何かをなくしたなら、ほぼ確実にそれは戻ってきます。たとえ現金であっても」 (MSN産経)――

 猪瀬都知事は9月7日のブエノスアイレス最終プレゼンテーションでは現金を落としても戻ってくる東京については一言も発言していない。自身のプレゼンテーションを終えて次の滝川クリステルにバトンするとき、次のように発言している。

 猪瀬都知事「滝川クリステルさんが、皆様にもっとお伝えします。彼女はフランス語で話します」(huffingtonpost)――

  そして滝川クリステルは次の言葉から入っていく。

 滝川クリステル「東京は皆様を、ユニークにお迎えします。

 日本語ではそれを「おもてなし」という一語で表現できます。それは、見返りを求めないホスピタリティ(思い遣り・心からのおもてなし)の精神、それは先祖代々受け継がれながら、日本の超現代的な文化にも深く根付いています。

 『おもてなし』という言葉は、なぜ日本人が互いに助け合い、お迎えするお客様のことを大切にするかを示しています。ひとつ簡単な例をご紹介しましょう。

 もし皆様が東京で何かを失くしたならば、ほぼ確実にそれは戻ってきます。たとえ現金でも。実際に昨年、現金3,000万ドル以上が、落し物として、東京の警察署に届けられました」(同huffingtonpost)――

 このような発言が猪瀬都知事が言った、もっとお伝えする話ということになる。

 しかし遺失現金に関する「ホスピタリティ」は「ほぼ確実」ではなく、当然「日本の超現代的な文化にも深く根付いています」はガセネタとなる。

 また、猪瀬都知事がロシア・サンクトペテルブルクでの招致プレゼンテーションで言った「もし皆さまが東京で何かをなくしたなら、ほぼ確実にそれは戻ってきます。たとえ現金であっても」にしても、ガセネタそのものとなる。

 問題は猪瀬都知事がロシア・サンクトペテルブルクでの招致プレゼンテーションで使った言葉を9月7日のアルゼンチン・ブエノスアイレスの招致プレゼンテーションでは一切使わずに、滝川クリステルが同じ趣旨のことを同じ言葉で発言した。

 もし猪瀬都知事が言った、もっとお伝えする話の一つに「失くしても戻る現金」の話を含んでいたとしたら、何を話すか、前以て皆で練習もし、内容を検討もしていただろうから、発言内容は承知していたはずで、滝川クリステルの発言は猪瀬都知事のヤラセの疑いが色濃く出てくる。

 事実、猪瀬都知事のヤラセなら、滝川クリステルはヤラセを根拠として「失くしても戻る現金」の堂々と披露に及んだことになる。

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