日本が戦争をした場合のため、どのような状況に至ったら戦争を終結するか、ルールを前以て決めておくべし

2014-09-02 05:27:28 | Weblog

 

 安倍晋三は2014年7月1日夕方、臨時閣議を開催して集団的自衛権の行使を可能とする憲法解釈変更を閣議決定。夕方6時から記者会見をひらいた。

安倍晋三「現行の憲法解釈の基本的考え方は、今回の閣議決定においても何ら変わることはありません。海外派兵は一般に許されないという従来からの原則も全く変わりません。自衛隊がかつての湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことはこれからも決してありません。外国を守るために日本が戦争に巻き込まれるという誤解があります。しかし、そのようなこともあり得ない」

 安倍晋三「今回の閣議決定によって日本が戦争に巻き込まれるおそれは一層なくなっていく。そう考えています。日本が再び戦争をする国になるというようなことは断じてあり得ない。いま一度そのことをはっきりと申し上げたいと思います」――

 集団的自衛権を行使するようになっても、日本は決して戦争に巻き込まれることはないと保証している。だが、日本に戦争をする意思がなくても、集団的自衛権行使に基づいた武力行使の機会が増えれば、単なる武力の行使で常に終わる保証はないし、不測の事態の発生がこの世に存在しないわけではない以上、戦争への発展も想定しておかなければ、安全保障に於ける危機管理とは言えないばかりか、そもそもからして自衛隊の存在意義さえ失う。

 日本が戦争に巻き込まれるか、逆に予想もしない事態に巻き込まれて日本が戦争を他国に対して仕掛けることになった場合、戦前の日本の戦争は軍部を筆頭に政府も国民も本土決戦に拘るあまり、戦争終結の的確な機会を失って、国民生命のムダな犠牲を多大なまでに余分に払うことになったことを反省点に戦前の二の舞いを避けるためにどのような状況に至ったら戦争を終結するか、前以てルールを決めておくべきではないだろうか。

 安倍晋三の「その時代に生きた国民の視点で歴史を見つめ直す」歴史認識論からしたら、軍部が振り上げた本土決戦を国民も支持し、覚悟していたことだから、戦争を継続する能力を失いながら、本土決戦を勝利の最後の機会と拘って戦争終結を遅らせたことは正しい選択と言うことになるが、後世の目で歴史を見る賢明な歴史認識からしたら、歴史の過ちを学び、国民の不利益とならない選択へと変えていく修正を施さなければならない。

 では、どのようなルールを用いたならいいだろうか。

 例えば日本が中国に侵略し、日中戦争の端緒となった蘆溝橋事件は1937年7月7日。その2年後の1939年(昭和14年)11月に米穀搗精(とうせい)等制限令が公布されている。

 既に主食の米不足が起きていて、精米率をそれまでの10分から7分に制限して、糠となる3分で米の分量を水増ししなければならなくなっていた。

 そして米穀搗精等制限令から1年半も経たないうちの1941年(昭和16年)4月1日から、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸の6大都市で米は配給制度となり、さらに国民の口に十分に主食の米を届ける能力を失っていた。

 このような食糧不足にも関わらず、6大都市配給制度から8カ月後の1941年12月8日真珠湾攻撃、国力が20倍程度上回っている米国に戦争を仕掛けていった。

 それ以後、「欲しがりません勝つまでは」の窮乏を国民に強いた。

 歴史の過ちから学ぶ観点からしたら、食糧のみならず、国民生活に必要な生活物資の不足が生じたなら、戦争終結とするというルールを設けるべきではないだろうか。日本国憲法は第13条で国民の生命・自由及び幸福追求の権利を保障し、第29条1項で財産権を保障している。国民に不自由なな生活まで強いてする戦争は憲法の精神に反する。

 以下、思いついたルールを挙げてみる。

 敵国の音楽を敵性音楽、戦争相手国の言語を敵性語として禁止するようになったら、戦争処理の段階に来たとすべきではないか。

 直接的な対決要件とすべきは戦争遂行の戦術・戦略であって、戦争相手国の文化排除は戦術・戦略に何ら関係しないだけではなく、排除は精神の余裕のなさの証明そのもので、精神の余裕のない国民性に満足な戦争遂行の戦術・戦略の創造を期待できるとは思えないからだ。

 戦闘機や艦船の燃料を松根油等、代替燃料に求めなければならなくなったら、戦争処理に入った方が賢明であろう。燃料は戦争の欠かすことのできない主たる動力である。動力不足で満足に戦争を継続できるだろうか。

 当たり前の戦闘行為では敵側勢力を撃破できず、単発的な戦果しか上げることができない特攻作戦等を行わなければならない程の閉塞状況に追い込まれたら、戦争継続能力なしと見て、戦争終結の段階に来たと看做すべきだろう。

 この他にも色々とルールを上げることができるかもしれない。関心のある方は付け加えてみて貰いたい。

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