仲井真沖縄県知事の名護市議選移設反対派過半数維持に対して自身の事実だけを言う自己都合

2014-09-09 07:35:06 | Weblog


 9月7日の沖縄県名護市議選で普天間米軍飛行場の名護市辺野古への移設反対派が過半数を維持した。仲井真知事がこの結果について仲井真知事らしい発言をしている。

 《「移設容認側が伸ばした」=名護市議選で-仲井真沖縄知事》時事ドットコム/2014/09/08-10:05)

 仲井真知事(移設反対派が過半数を維持したことについて)「(移設容認の)野党側が1議席伸ばしてますから、判断の仕方はいろいろあるんじゃないですか。

 (3選を目指す11月の県知事選への影響について)名護だけが沖縄ではありませんから」――

 移設容認の「野党側が1議席伸ばしてます」は確かに厳然たる事実そのものである。だが、その事実を認めるなら、反対派が過半数を維持したことの厳然たる事実も認めなければならない。自分たちの事実だけを認めて、他の事実を認めないというのはご都合主義の事実に堕す。

 また、「名護だけが沖縄ではありません」も誰もが認める曲げようのない厳然たる事実ではある。だが、辺野古移設を容認していた仲井真知事が2010年11月28日投開票の知事選での再選に向けて辺野古移設反対を公約に掲げなければならなかったのは、再選に必要な民意を得るための重要な要素としたためであることも誰もが認める厳然たる事実であるはずだ。

 2010年5月28~30日実施の琉球新報社と毎日新聞社合同の沖縄県民世論調査は辺野古移設反対が84%に上っていた。

 沖縄世論が辺野古移設反対で沸騰していた中、知事選は当然のように普天間飛行場移設問題が最重要の争点となっていた。そのような選挙事情の中、仲井真知事が辺野古移設反対を公約に掲げて再選した事実は名護市だけではない沖縄全体の厳然たる民意として認めなければならない事実であるはずだ。

 だが、仲井真知事は沖縄全体の厳然たるこの民意を最後まで自らに対する民意としなかった。途中から、事実と異なる民意を自身に対する民意とした。

 2013年12月17日午前、首相官邸で開催された沖縄県の基地負担軽減と振興策を地元と話し合う沖縄政策協議会で仲井真知事は沖縄振興に関わる要望書を安倍晋三に手渡した。

 2013年12月25日、首相官邸で安倍・仲井真会談。会談での仲井真知事の発言。

 仲井真知事「安倍総理大臣自ら驚くべき立派な内容を提示していただき、沖縄の140万人県民が心から感謝している。お礼を申し上げたい」(NHK NEWS WEB

 2010年11月の知事選再選に向けた辺野古移設反対の公約は再選のための方便に過ぎなかったのだろう、機会を見て民意の歪曲を狙っていたはずだが、いよいよ歪曲の最後の仕上げに取り掛かる段階に来たというわけなのだろう。

 2013年12月27日、米軍普天間飛行場の名護市辺野古移設に向けた政府の埋め立て申請を承認する。

 同12月27日記者会見。

 仲井真知事「審査の結果、現段階で取り得ると考えられる環境保全の措置などが講じられており、基準に適合していると判断し、(埋め立てを)承認することとした。(その理由について)政府から示された沖縄振興策は、県の要望に沿った内容が盛り込まれており、安倍内閣の沖縄に対する思いは、かつてのどの内閣にもまして強いと感じた。また、基地負担の軽減策でも、安倍総理大臣は沖縄の要望をすべて受け止め、交渉をまとめていくという強い姿勢を示された。

 (但し普天間移設に関しては)県外の既に飛行場のある場所へ移設する方が最も早いという私の考えは変わらない。政府は、普天間基地の危険性の除去を図るため、5年以内の運用停止の実現に向けて、今後も県外移設を検討する必要がある。

 公約を変えたつもりはない。一番重要なのは、宜野湾の街の真ん中にある危険な飛行場を街の外に出すことで、これを理解していただきたい。5年以内の運用停止に取り組むという安倍総理大臣の確約を得ている。埋め立ての承認と県外移設を求めていくことは、危険性を減らすため並行して存在しうる」(NHK NEWS WEB

 「県外の既に飛行場のある場所へ移設する方が最も早いという私の考えは変わらない」「公約を変えたつもりはない」と言っているが、これがウソっぱちなのは誰もが理解していたはずだ。

 このことは先に挙げた名護市議選辺野古移設反対派過半数維持に対する仲井真知事の発言が何よりの証拠となる。

 再掲してみる。

 仲井真知事(移設反対派が過半数を維持したことについて)「(移設容認の)野党側が1議席伸ばしてますから、判断の仕方はいろいろあるんじゃないですか。

 (3選を目指す11月の県知事選への影響について)名護だけが沖縄ではありませんから」――

 県外移設の公約に変わりがなければ、名護市議選辺野古移設反対派過半数維持は諸手を上げて喜んでいいはずだ。

 仲井真知事は一見変節漢に見えるが、辺野古移設反対の公約が再選のための方便に過ぎないなら、辺野古移設容認で節度を通したことになる。だが、辺野古移設反対を偽装した卑劣な事実に変わりはない。仲井真という男は自己都合の事実しか言わない卑劣漢という称号は与えることができる。

 自己都合しか言わないという点で、安倍晋三とベッドを共にしていると言うことができるはずだ。

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