2016年3月24日発売の「週刊新潮」が、「Wikipedia」によると、〈日本の文筆家、タレント、元NPO法人グリーンバード新宿代表、元東京都教育委員、元教職員、元スポーツライター〉の乙武洋匡氏39歳が5人の女性と不倫関係にあったと報じているといくつかの各マスコミが取り上げていた。
第一印象は女性関係に関してはなかなかの発展家だったんだなであった。
ネット辞書で「発展家」という言葉を確認してみると、「コトバンク」や「goo辞書」では「手広く盛んに活動する人。多く、酒色の方面についていう。」と解釈しているが、「Weblio辞書」では、「広い範囲で活躍する人。酒や異性関係にいうことが多い。」となっている。
私の頭の中では「発展家」とは異性関係を対象とした言葉となっている。例え妻がいようが子供がいようが、あっちの女性、こっちの女性と関係を発展させていく男のことである。
女性の場合は逆となる。
夫がいて、子供も3人もいて、5人の男性と関係を持っていた。相当な発展家と見ないわけにはいかない。
この週刊誌報道について乙武洋匡はその事実を認めて、夫婦で《『週刊新潮』の報道について》と題して謝罪のコメントをネット上に公開している。
この週刊誌は乙武洋匡が5人の女性とは別の女性とホストクラブに出掛け、そのVIPルームに入り込んで、「このままじゃ帰れない」と言い放ち、いきなりキスしたが、女性に拒否され、逃げられたということも報じていて、女性は取材に対して「(乙武氏とは)二度と会いたくありません」と言っていたということだが、この件を昨日3月31日のTBSテレビ「ひるおび!」が取り上げた際、作家の室井佑月が、「酔っ払ってキスしたっていうことが週刊誌のネタになるっていうのも、どうかなっていうふうに思うんですよね。酔っ払っちゃったら、ブチュブチュチューとかしちゃったりしません? ノリで」と発言、一瞬その場がシンと静まり返ったと「livedoor」が伝えている。
いわばマスコミがこの件について批判の文脈で取り上げることを暗黙の了解とした報道姿勢でいるところへ室井佑月が乙武洋匡の行為を擁護したから、一瞬シンと静まり返ってしまったということなのだろう。
批判する人間がいてもいいし、擁護する人間もいてもいいわけである。
但し酔って単にキスを迫ったのが事実なのか、次の肉体関係のターゲットにするつもりで、その手始めの行為としてキスから入ったといったところが事実なのか、それぞれの事実の解釈次第で見方が違ってくる。
後者であるなら、新しいオモチャを買い与えられてもすぐに飽きてしまって、新しいオモチャを次々と欲しがる子供のように一人の女性との付き合いは、いっとき夢中になって遊んだオモチャが押し入れの中に放り込まれ、忘れられた存在となっているように関係は続いていたとしても、気持そのものが長く続かず飽きてしまっていて、いないと同じ存在となり、未知の女性を征服する形で肉体関係を結ぶのでなければ、その存在を感じ取ることも高揚感も出てこないタイプの持ち主かもしれない。
となると、「失った信頼を回復するのは決してたやすいことではありませんが、いま一度、自分を見つめ直し、家族と向き合っていく所存です」と謝罪コメントで心決めている様子を見せていても、一度染まってしまった覚醒剤からなかなか逃れる事ができないように新しい女性でなけれが性的刺激を得ることができない性格傾向は簡単には治まらないかも知れない。
乙武洋匡に関しては自民党が今夏の参議院選挙に障害がありながら執筆や講演を続ける姿が安倍政権の掲げる「1億総活躍」をアピールできる目玉候補として、東京選挙区(改選数6)への擁立を検討していたと、「産経ニュース」、その他が伝えていた。
当然、週刊誌の不倫報道を受けて自民党が公認候補として擁立するかどうかに注目が集まった。敢えて火中の栗を拾うかどうか。
擁立を計画していたのは自民党ばかりではなく、民主党も計画していたようだが、最近は自民党からの擁立に話題が集中していたということは乙武洋匡自身が自民党からの立候補を決めていたからだろう。
だが、3月30日、自民党は擁立を見送る方針を決めた。自民党に関しては「育休宣言」をした若きホープ宮崎謙介前衆院議員35歳が不倫問題で 2月16日に議員を辞職したばかりである。立候補を強行して当選、それを以て不倫を正当化し、不倫文化を打ち立てることに成功したら、助かる自民党議員がワンサと出てくるのではないのかと思うのだが、安倍晋三が女性の活躍をアベノミクスの柱として掲げている手前、女性が主体的に活躍するのではなく、男性の性的活躍の道具と正当化されかねないことに警戒を示したのかもしれない。
自民党乙武洋匡参議院選擁立断念を受けて同3月30日、乙武洋匡が報道各社にファクスを送ったという。そこには「さまざまなお話をいただいておりましたが、これまでもお答えしてきた通り、出馬の意向はございません」と書かれていた(「FNN」)という。
この文面を読む限り、幾つかの党から参院選擁立のお話は頂いていたが、出馬の意向は最初からなく、そのことをこれまでお答えしてきたという趣旨となる。
このコメントが事実とすると、自民党が擁立を見送る方針を決めたとする事実が今度は矛盾を呈することになる。出馬を断ってきた者を擁立する方針でいたが、不倫報道を受けて擁立を見送ることになったという経緯を辿ったことになり、滑稽な紆余曲折を経たことになる。
例え断られても、出馬の誘いを続けていたと言うことなら理解できる。但し不倫報道を受けて下手に擁立したなら、逆に有権者離れを引き起こしかねない危険性から擁立を断念したということなら、出馬の誘いを即中止するだけで事は片付く。擁立見送りの方針を決める手間をわざわざ持ってくる必要はないし、その方針をマスコミに伝える必要もない。
上記「FNN」記事は、来週、東京都内のホテルで開く40歳の誕生日パーティーに約1,000人を招待、そこで正式に出馬表明をする段取りだったとされているとまで伝えている。
つまり自民党は乙武洋匡から出馬の承諾を得ていた。得ていたからこそ、擁立見送りの方針を決めなければならなかった。乙武洋匡の方は不倫報道が出るまでは出馬に向けてやる気満々でいた。
それを最初から出馬の意向はなかったかのように平然とすり替えることができる。このゴマカシだけでも、国会議員にならなくても、既に十分に政治家の才能と資格を持っていると言うことができる。
なかなかの政治家である。もし不倫報道に勝って国会議員になれる機会を得たなら、さぞかし頭角を現すに違いない。
但しさらなる不倫がバレない限り。