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京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

航空自衛隊F-X F-4戦闘機の耐用年数はどこまで有り得るか

2009-06-07 22:42:42 | 防衛・安全保障

◆F-4戦闘機後継機

 航空自衛隊の次期戦闘機選定に際して、来年度予算に次期戦闘機盛り込みの予算計上が見送られたことが、本日の読売新聞にて報じられた。以下に引用。

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防衛省、次期戦闘機の来年度予算計上見送りへ 防衛省は2010年度予算の概算要求で、航空自衛隊の次期主力戦闘機(FX)の調達経費の計上を見送る方針を固めた。 調査対象の6機種のうち「第5世代機」と呼ばれる最新鋭ステルス戦闘機2機種の情報が十分に得られておらず、選定作業を継続する必要があると判断したためだが、FX導入がさらにずれ込む可能性も出ている。 FXは老朽化した戦闘機「F4」の後継機となる。防衛省は約50機導入で、2個飛行隊(予備機含む)編成を目指している。政府は現行の中期防衛力整備計画(05~09年度)で7機を契約する予定だったが、機種が決まらず、10年度からの次期中期防に先送りした。

Img_9855  次期中期防の初年度に調達経費が計上されず、導入がさらにずれ込めば、日本の防空能力の低下を招きかねないと指摘されている。 第5世代機は米国製「F22」と米英などが共同開発中の「F35」。航空自衛隊にはF22の導入を求める声が強いが、技術情報の漏えい防止のため米議会が禁輸措置を設け、詳細情報が入手できない。また、F35の情報収集も難航しており、6機種の比較が完了していないため、概算要求までの機種決定は困難な情勢だ。 概算要求では機種を特定せずに機数と調達経費を計上することは可能だ。しかし、防衛省幹部は「年末の予算編成までに機種を決めなければならず、F22の禁輸が未解除だと、他機種から選ばざるを得なくなる」として、F22導入を優先する立場からも、概算要求への計上見送りはやむを得ないとしている。 FXは契約から取得まで5年程度かかるとされ、防衛省は戦闘機部隊維持のため、F4の飛行時間を抑制するなど、退役時期の先延ばしを図る方針だ。(2009670304  読売新聞)ttp://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20090607-OYT1T00126.htm引用ここまで。

Img_8723  現段階で二個飛行隊分のF-4戦闘機が航空自衛隊で運用されている。このF-4の後継機選定を巡りF-X選定が議論されている訳だ。さて、F-4戦闘機は、航空自衛隊での運用は1971年より始まっており、近代改修をおこなっているとはいえ、既に機体そのものの耐用年数は限界が迫っているとも伝えられる。すなわち、航空機には構造そのものの限界があり、これをこえて飛行させるということには非常なリスクが伴う。現段階では、ドイツ空軍など、幾つかの空軍でも近代改修の末、F-4が運用されているが、機体性能以上に、限界というものが存在するわけだ。
Img_8657  さて、来年度予算にF-Xの予算が見送られたことについては、決定されていなことにより、予想されたことではあった。伝統的に米空軍の主力戦闘機を戦闘機として採用してきた航空自衛隊にあっては、F-22の導入が望ましいとされたものの、機密保護の観点などから、これは難しいとされた。そこでF/A-18E,F-15E,ユーロファイター2000に加え、新しくF-15SEが選定に加わり、F-22という当初最有力とされながら導入までの障壁が大きすぎ、一時は希望のみのF-Xとされた機体が再び導入の可能性として生まれたことにより、現段階で、F-Xを選定するということは、防衛省内部で時期尚早とも見解をうみ、今回の政策決定につながった、といえる。
Img_9934  他方で、前述のように航空自衛隊のF-4には、残された時間はあまりない。F-Xが予算計上に至らない以上、その予算は、恐らくF-15戦闘機の近代化改修に充当されるものとおもわれる。他方で、F-15J近代化改修の機体性能は、かなり高い能力を有するものの、F-15の機数には上限がある。次期戦闘機について、F-22の導入を繰り返し検討している防衛省にとり、結果、選定はかなり遅れることとなってしまった。そこで、F-Xがライセンス生産の場合は別として、有償軍事供与により導入されることを見越して、なんとか、導入予算を積立式として蓄積し、選定決定の際には、極力短期間に多数の機体を導入することが出来ないか、検討する必要もあるのではなかろうか。
HARUNA
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コメント (7)
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