◆数ヶ月間の訓練航海へ出発
報道などによれば、本日1000時過ぎ、原子力空母ジョージワシントンが長期間の訓練に向けて横須賀基地を出航したとのことだ。
2008年9月に横須賀に前方展開した空母ジョージワシントンは、横須賀海軍施設への前方展開後、初めてとなる本格的な長期間にわたる戦闘訓練のために横須賀を出航。ラウスマン艦長によれば、空母は横須賀でのメンテナンスを完了し、100%の能力を発揮できる状態にある、とのことだ。
なお、今回、ジョージワシントンは、厚木航空基地に展開させている第5空母航空団を空母に収容したまま横須賀に寄港していたようで、ジョージワシントンの飛行甲板には、艦内格納庫に収まらりきらない艦載機多数が係留されていた。こうした光景はなかなか見ることが出来ないため、報道を見て、少し驚いた次第。
通常、空母艦載機は、広大な洋上に浮かぶ200㍍少々の着艦甲板に戦闘機を下ろし、海に落ちる前に強制的に停止する必要があり、この着艦技術の維持を目的とした陸上空母発着訓練の実施のため、空母が母港(正確には事実上の母港)に入港する場合、洋上で発進させ、陸上基地に展開させる、従って、今回、横須賀では稀有な光景を見ることが出来た模様。
なお、ジョージワシントンは、これまでのメンテナンスの際に原子炉周辺にて低レベル放射性廃棄物が確認され、横須賀から米本国に搬出されたと発表されている。今回の戦闘訓練は、ジョージワシントンの航海は、数ヶ月間にわたるものとされ、この期間、各種訓練に加え海上自衛隊との協同訓練も行う。
今後数ヶ月間は、横須賀に、米海軍の原子力空母の姿が見れなくなるのだが、同時に恒常的に実施される長期間の戦闘訓練と実任務、これに対し、空母乗り組みは米海軍でも屈指の激務とされるが、米空母では人的次元での継戦能力、つまり乗員のモチベーションやモラールの確保がどのように行われているかについて、興味が湧く。
HARUNA
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