◆航空自衛隊の防衛力整備
第一回に74式戦車の夜間を掲載して以来、海上自衛隊の電燈艦飾写真なども掲載したのだが、航空自衛隊はこの関連の写真が無い、浜松広報館の夜間公開行けば良かったと思う今日この頃。
今回は航空自衛隊特集。次期戦闘機F-Xは、F-22に拘り過ぎた結果完全に空転しており、ここは正直に米国国内から供給されている部品を生産設備ごと買い取り、国内でF-2を増産する道を探した方が良いのではないかと思うと同時に、防衛大綱の戦闘機定数を、F-22が導入できないという前提の数字に戻した方がいいのではないかと思う次第。
F-15J近代化改修の費用として、四機分62億円が要求されている。更に、F-15Jの自己防御力向上として四機分110億円が要求されている。近代化改修に要する費用が書記と比べかなり提言している点に注目するとともに、近代化改修よりも費用を要する自己防衛能力向上とは、どのようなものかは、少し気になったりもする。
F-15は、近代化改修で、まだまだ伸びしろがあり、もっとも強力なレーダーと火器管制装置、そして膨大な武装を搭載しつつも入手し得る最大のエンジンにより良好な機動性を確保させることが出来た一方、レーダー反射面積だけはどうにもならず、補うべく本来F-15が長所として有する部分を最大限補強する必要はあり、今後も近代化改修を重ねる必要はあるように思う。
F-2支援戦闘機の空対空戦闘能力向上として28機(4機?)が81億円で要求されている。岐阜基地の飛行開発実験団では、既にF-2へのAAM-4運用能力付与の試験が行われており、さらにF-2では当初問題があり、改善されているレーダーについて、レーダーの索敵能力もソフトウェアの改良により、かなり増大するとのこと。
精密誘導が可能なGPS誘導爆弾として装備化を進めているJDAMであるが、F-2支援戦闘機へのJDAM運用能力付与についても35機が47億円で要求されているので、撃放し式空対空ミサイル運用が可能となり、空対空作戦能力の向上と対地戦力投射能力の向上、これによりF-2は次の段階に進むことが出来る。
F-X関連としては、そろそろF-4戦闘機の好景気が真剣に必要となっているのではあるが、予算には盛り込まれていない。一つ、積立式で後年度に繰越できるような制度があれば一度に導入数を多くすることもできるように思うのだが、現在の日本ではこれは難しい。しかし、F-22に拘りすぎているのは、冒頭にも記したが最大の弊害のようにも思う。
C-1輸送機も、そろそろ限界が見え始めているのだが、次期輸送機C-Xについては、これはもう、ここでは書けないような話ばかり聞こえてくるのだが、ううむ、C-X初飛行の感動はいつになるのやら。欧州のA-400も、これまた難航しているので、輸送機は世界的に苦難の連続というようにも思える。C-Xの予算動向に新しい動きは無い。
CH-47J輸送ヘリコプター。航空自衛隊で現在配備が進められているのは陸上自衛隊でいうところのJA型に当たる機体なのだが、こちらは1機が43億円で要求されている。どうでもいいが、アニメーションの“東京マグニチュード8.0”では、何故か航空自衛隊迷彩のCH-47Jばかりでているようにも。
航空自衛隊の懐刀、E-767早期警戒管制機、このレーダー機能向上にも3機分135億円が要求されている。電子関係の予算は、長期的にはかなりの額になるのだが、近代化改修と共に数的充実も図るべきなのでは、と。APY-2レーダーがまだ入手できるうちに、E-767を8機体制に増強した方がいいのでは、とも思う次第。
E-2C早期警戒機の改善に、1機分9億円が要求されている。E-2C早期警戒機も、そろそろ後継機の選定を始めるべき時期になってきたが、前述したようにAPY-2レーダーの生産が終了すればE-767の増勢は不可能になる。運用に苦労したE-2Cの後継には、E-2Dを導入するのか、別の機体か、注目したい。
高射隊について、ペトリオットミサイルPAC-2では、87億円が、そしてLSの改修が6式で18億円、要求されている。広域防空には、射程の長いペトリオットミサイルのポテンシャルは大きく、弾道ミサイル迎撃に用いられる、比較的射程の短いPAC-3が報道されることの多い中で、PAC-2の重要性も今なお変わらない。
ペトリオットミサイルに関して、PAC-3の運用は、弾道ミサイル防衛で要求されている。ペトリオットミサイルの改修7式と定修1式で944億円が要求された。ペトリオットミサイル関連だけで、F-15やF-2の回収、ヘリ新造と早期警戒機早期警戒管制機関連の予算487億円をはるかに上回り、航空自衛隊というよりも防空自衛隊という印象の予算要求。
このほか、航空自衛隊は基地警備用に軽装甲機動車の配備を進めているが、22年度予算にも40両13億円が要求されている。航空基地の警備には、警察の特型警備車のような車両も望ましいが、レーダーサイト警備には、この車両が望ましい。今後は、軽装甲機動車に搭載するMINIMIの弾薬と共通の新小銃を、現用の64式小銃の代替としての導入が検討されるのだろうか。航空自衛隊関連の予算としては以上である。
HARUNA
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