◆ロシア機の日本周辺空域飛行は一ヶ月間で9回
Tu-95爆撃機二機が8月5日、かなり変則的な飛行を行ったとのことで、航空自衛隊は12機を緊急発進させて対応したとのことです。
Tu-95爆撃機は、東経130度線に沿って朝鮮半島沖を福岡沖に接近、その後山陰地方日本海沿岸に沿って飛行、隠岐島沖で転進し若狭湾方面に接近して能登半島沖で転進、東北地方日本海沿岸を飛行、北海道沖に到達、北海道沖を宗谷海峡上空を経て周回し太平洋上に進出しました。
太平洋に出たTu-95はそのまま本州三陸沖を飛行、房総半島銚子沖まで進出し転進、襟裳岬方面に接近したのち、再度北海道北方を飛行して沿海州方面に戻ったとのことです。実質、日本海側から太平洋側へ日本の沿岸を半周したことになり、この経路は非常に稀有といわざるをえません。
7月29日にもIl-38哨戒機が1機、沿海州方面から接近し男鹿半島沖で一定期間周回飛行を実施、航空自衛隊の緊急発進を受け再度沿海州方面に飛び去っています。前日の28非にもIl-38哨戒機が2機、沿海州方面から接近して二機が隠岐島沖で竹島方面に転進、竹島西方海域上空を周回飛行したのちに今度は本州日本海側を何度も転進しつつ北海道沖に進出、積丹半島沖で沿海州に戻っています。
7月23日にIl-20が1機、こちらは北海道沖から南下して、隠岐島と竹島の間を往復して沿海州方面に戻っていますし、7月16日には沿海州から北海道沖を飛行して本州日本海沿岸を南下、隠岐島沖で転進して北上し沿海州方面に戻っています。7月7日にもIl-20がほぼ同じ航路を飛行していて、緊急発進の頻度は比較的高い状況で推移しているといえます。
ボストーク2010演習の終了後にこうした飛行の頻度は低下すると思われたのですけれども、実際には演習終了後であっても一定の頻度で日本周辺空域に出現しており航空自衛隊の緊急発進を受けている、という事になります。7月5日に三日間で三回の領空接近があったという記事を掲載していますので、併せてご覧ください。http://blog.goo.ne.jp/harunakurama/d/20100705
HARUNA
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