◆本日五山送り火
本日8月16日は京都大文字五山送り火です。そこで、手持ちにて撮影した拙い写真ですがその様子をお伝えしたいと思います。
大文字が点火される瞬間。消えず衰えず、火が灯っているのは護摩の木が燃え尽きるまでの十数分間、この時間というものは決して長くはない時間なのですけれども、その時間だけでもその間様々な故人との想い出を懐かしむ大切な送り火の伝統行事です。
東日本大震災との関係で°押しても書かなければならないのは被災地の松を護摩木として奉焼しよう、という声に心無い声が寄せられた事でしょうか。これについて当方の偽らざる感情は、知らない事は罪ではないのですけれども、知ろうとしない事や理解の努力を放棄する事は人間の最も大きな怠惰で、保守的や伝統とはそぐわないものです。
左大文字、この場所は五山のうち鳥居型を除いた全てが見れる、そして一般にも開放された、それでも混雑しない一種の穴場だったのですが、周囲の建物や電線の増加などでどうしても、という場所になっていたりしますが、まあ、それはそれ、これが京都、というところですね。
妙法、点火されています。妙の部分が薄らと見えるだけなのですが、送り火として拝むには充分、と割り切りました。ちょうどこのあたりから涼しい夜風が吹き始めまして、ほの暖かな光とともに、しかし消え始めた大文字にも目を移したりしてゆきます。
船型の点火。こちらも電線や建物は多いのですが、もっとも、五山送り火は未来に変わらずとも、共に映る情景は移ろいゆくものですから、これも現在の五山送り火の姿、なのですけれどもね。そんな事を考えつつ、護摩木の力強い火が儚くかわるなか、同時に今年三月の事と鎮魂を願い掌を合わせました。
北大路機関:はるな
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