◆東京→横田→秋葉原→上野→品川→横須賀
横田基地日米友好祭へ展開した二日間、その間に撮影した電車の数々を今回特集してみます。
Weblog北大路機関では東日本大震災発生以降、鉄道関係の記事掲載は停止している状態でしたが、一応鉄道関係に興味がある方も読まれているとのことですし、ここはひとつ、ということで震災後鉄道関連基地の第一段に首都圏鉄道紀行の掲載です。
しかし、いろいろと変わるものですね。今回初めて見る車両、というものが二つ、JR東日本E-5系新幹線と京成電鉄AE形特急電車。奇抜なデザインの新型車両とスピード感あふれる新鋭特急、東日本大震災の影響も垣間見える写真とともに、長めの記事にしてみます。
早朝の東京駅。1982年に開業した東北新幹線とともにデビューしたのがこの200系新幹線、0系新幹線を想わせる、実のところもう少しスマートなのですが外見に何か懐かしいものを感じます。設計最高速度は250km/h、活躍の場が山陽新幹線の短縮編成となっている100系と違い、更に古参の新幹線ながら今日も運行中です。
がんばろう日本!がんばろう東北!、東北新幹線は今回の東北地方太平洋沖地震に際しても気象庁緊急地震速報のモデルとなった国鉄技術陣の賜、地震早期検知警報システムUrEDASにより緊急停止に成功、マグニチュード9.0においてもしっかりと耐えた新幹線が、こうしたステッカーを掲げているのをみますと、なにか力が涌いてきそう。
SUNRISE,東京駅を発着する唯一の寝台特急を撮影するのが今回の最初の目的。急いで行っても横田基地のゲートが開く前ではね、という意味もありますが。1998年にそれまでの客車寝台車を機関車でけん引するブルートレインを置き換える目的で開発されたのがこの285系特急車。客車方式ではなく電車方式という事で営業運転における最高速度も130km/hと早いのが特色。
サンライズ瀬戸。この編成は二つの寝台特急が併結され運行されています。サンライズ瀬戸は、東京駅と四国の高松駅を結ぶ特急で、前に小松島航空基地一般公開の際には徳島から特急うずしお号で撮影に展開したのを思い出します。元々はブルートレイン寝台特急瀬戸だったのですが現在は寝台特急電車として運行中。
サンライズ出雲。東京駅と山陰地方の出雲市駅を結ぶ寝台特急で、かつての寝台特急出雲を受け継ぐ特急。出雲大社は一頃まで新婚旅行の一つの定番だった、という事で運行されていたブルートレインで、高松も出雲市も新幹線で行きにくく、旅客機の運航も限定的という事で需要のある特急。それぞれ7両編成が連結14両編成で到着するので迫力があります。
285系はダブルデッカー車で、B寝台個室やA寝台個室といった設備のほか、二段式のカーペット座席を指定席扱いで販売しており、これがブルートレインの開放B寝台に準じる快適さを指定席特急料金で堪能できるとあって人気があります。ううむ、旧式化進む583系で大阪と新潟を運行する夜行急行きたぐに号や、廃止された東京と大阪を結ぶ寝台急行銀河、それに廃止された京都と長崎を結ぶ寝台特急あかつき号、285系にすれば生き残れたのでは、とおもったり。
なんでも臨時列車サンライズゆめ号、として予備車を使った多客時の東京広島間の寝台特急も運行されているということですし、130km/h運行できるのならば他の通勤電車や特急電車の運行を妨げることはないはず、旅客需要に応じて簡易寝台車として使える指定席車の割合を調整すれば、価格面と利便性で夜行バスに対抗できると思うのですがね。
E-2新幹線、営業運転速度は275km/hですが設計最高速度は315km/hと韋駄天。昨年仙台市の霞目駐屯地から戻る際、新幹線やまびこ号で仙台駅から上野駅まで利用したのがこのE-2新幹線。JR東日本が復興振興策として少し前に新幹線特急を含めた一日フリーきっぷを販売していましたが、観光客を呼び戻すには、大阪から青森への臨時特急白鳥を583系とかで運行した方が、活性化に寄与するやもしれません。
E-233系、登場以来一瞬で1000両近くが生産され、中央線の201系を始め一挙に置き換えた怪物のような電車です。今回も東京駅から中央線特別快速、そして青梅線の牛浜までと、牛浜から立川駅まで、この電車の御世話になりました。京浜東北線で運行されてるのにも乗りましたね。
ホリデー快速河口湖号。横田基地からの帰路、偶然乗る事が出来ました。いやあ、偶然でも嬉しい!、新宿駅と富士急行線経由で河口湖を結ぶ臨時快速、土日に運行されているのですけれども183系特急車を使用していて、六号車の指定席車以外は普通乗車券やJR線内では青春18きっぷ、で利用できるという車両。混んでましたが立川駅から乗車、三鷹駅で座る事が出来新宿まで快適でした。
総武線E-231系、JR東日本の通勤電車として代表格となった車両。新宿駅で中央線特別快速に乗り換え神田神保町で古書店巡りをしようと思っていたのですが、それにしては時間が遅くなっていまして、それなら御茶ノ水あたりで総武線に乗り換えて秋葉原に行く事に。ちょっと少し古く京都や大阪では店頭に見かけなくなった、しかし欲しいCDもありましたし、ね。
そののち、スマートフォンで便利になりましたが安い宿をササッと予約して宿泊へ山手線鶯谷駅へ。この駅の近く、ささのや、っていう焼鳥屋、凄く旨いんですよ、跨線橋を東横インの方へ降りてすぐ。一串70円でドンドン焼いたホルモン串焼きやらがタレにぎっしり漬け込まれながらズラズラと並んでいて、これをレモンチューハイや生ビール片手にパクパク食べてゆく、味もさることながら雰囲気が楽しいお店なんですよ。
何故か前の話の次がE-3系。実は久々にあの店で一杯、とおもいきや鶯谷駅でポスター。“つなげよう日本。”JR東日本のポスターなのですが、快走するE-5新幹線が大きく描かれたポスターと上記ロゴの下に“7月9日(土)東北新幹線E-5系「はやぶさ」、東京‐新青森1日2往復、東京‐仙台1日1往復へ。”
ポスターで大事なのはその下、はやぶさ401号東京発0812、はやぶさ403号東京発1004、はやぶさ405号東京発2136.この2136ってのが重要。この時間なら鶯谷駅は上野駅の隣、山手線と京浜東北線で何本も運行されているし、せっかくだから新幹線はやぶさ号を、ということに。
写真は上の写真とともにE-2新幹線のポケモン新幹線。私、知らなかったんですがポケモンって北米では劇場版だと宮崎アニメとは比較にならないくらい観客動員数があるようなのですよね。新幹線の車体には“POKEMON With You - ポケモン は いつも キミ と いっしょ”、と。
これ震災前から運行されているのでしょうか、ポケモン電車やポケモンジェットはいろいろと見てきましたが、こういうロゴとともに走っていると、震災で落ち込んだ地域でもなにか元気づけられるのでは、と思ったり。そういう意味では新幹線は色々な意味で象徴で憧れ、という事でもありますし、ね。
E-1新幹線。実は新幹線はやぶさ号は、上野駅通過ということで、仙台駅まで乗車の方は一本前の新幹線にて大宮駅に向かい、そこで仙台行はやぶさ号に乗り換えてください、とアナウンスしていました。停まらない、となると撮れるかな、と思いつつも手にするEOS-7Dなら何とかなるはず、とも。
来た、これだ!。はやぶさ405号、やってきました。いやあ、新鮮な塗装!。実はE-5系はもっと多く、二時間に一本くらい東京から青森とを結んでいると思ったのですが、まだ本数は少なかったようです。現在の最高速度は300km/hですが、2013年からは320km/h運転が開始されるとのこと。
E-5新幹線、この新幹線が東京から新青森駅の間を最短三時間半で結ぶ最新鋭。正面から撮影するとカメラが強力な前照燈の光を拾ってしまうので一段補正を掛けて明るい状態で撮ったのですが三段くらい掛ければよかったでしょうか、闇を切り裂いて走ってきます。
はやぶさ号E-5新幹線。最高速度360km/h営業運転を目指したE-954形の技術に依拠して開発された新幹線です。個人的には500系新幹線とE-2新幹線の流線形を受け継いだE-954ストリームラインを実用化してほしかったのですが、まあ、N-700系以降、新幹線形状は流線形よりも低騒音に向かっているから仕方ないのかもしれません。
E-5,長いノーズ。実のところ、鉄道車両を500km/hで運行する事は日本では非常に簡単であるとのことですが、地震国日本では緊急停止能力が求められ、火山国日本の厳しい地形では勾配など線形への適合が求められ、人口密集地域の多いわが国ですから低騒音が求められ、加えて快適で加速力が高く振動が少なく故障しにくい車両、というものが求められている、これが新幹線。
新幹線はやぶさ号通過、別に鉄道愛好家ではなくとも視線が集まっている新幹線です。余り見かけない、それこそ新青森との往復本数では上野駅のブルートレイン運行本数とほぼ同じ、北斗星、あけぼの号の本数と同じ、いわば珍しい列車なのですからね。しかし当方のような一眼レフを構えているのは居なくて、まあ、上野近辺の鉄道愛好家には見慣れた新幹線なのでしょうかね。
はやぶさ。はやぶさ号というと、どうしても九州ブルートレインの印象が強かったのですが、しかし思い起こせば寝台特急富士はやぶさ号と東北新幹線の東京駅におけるホームは隣同士、ブルートレインのブルーはライトブルーに置き換わり北へ向かって羽ばたいて行った、そういうところでしょうか。
仙台に向かうE-5新幹線の雄姿。JR東日本では最上級座席グランクラスの運賃から一座席当たり5000円をそのまま東北復興への義援金として寄付しているとのこと。東北新幹線はそのまま北海道新幹線への乗り入れとなります。はやぶさは北へ、そんなことを考えつつ、鶯谷の焼鳥屋に向かいました。上野駅を後にしました、と書くべきだったか。
鶯谷の焼鳥、一本70円で串数からの明瞭会計、20本食べても1400円、50本食べても3500円、チューハイは350円、今回も2000円でお釣りが来ました。横浜のおでん屋台、横須賀の駅前焼鳥、これら出来るだけ行くようにしていますがお勧めできる飲み屋さん。
京成電鉄スカイライナー。翌日の撮影です。160km/hという私鉄特急としては破格の高速度運転で上野駅と成田空港を結ぶ2010年運行開始の注目特急です。さて、鶯谷で一杯やってBSで人間の条件第六部を見まして、その翌朝なのですが、上野に来たのならば新型スカイライナーを見てゆこう、という気分でした。
AE形電車。これが新型スカイライナーの型式呼称です。160km/hという速度を最大限生かすべく、京成本線とは別の形成成田空港線を快走し、上野駅から成田空港まで36分間で結ぶという一種の怪物、それまで成田空港と言えば都心からの特急電車で約一時間という距離が指摘され、羽田空港拡張工事により位置づけが揺らぐ、とされていたのですが新型スカイライナーがこれを一新する事になるやもしれません。
スカイライナー、その特色は同じ空港連絡特急であるJR東日本が運行する成田エクスプレスや名鉄のミュースカイと異なり流線形、というところでしょうか、青色の市松模様と間接照明を多用した内装や175kw三相交流誘導電機採用とIGTB素子インバータ制御とベクトル制御方式トルク方式による高加減速性能など技術面も特筆すべきでしょうが、見た目の秀逸さは強いインパクト。
京成成田空港線は北総鉄道北総線、あの都市整備公団線を延長して2010年7月11日から京成電鉄が路線そのものを借り受ける方式で運用を開始した路線。路線は51km、より線形が良く早い路線という意味ではかつての成田新幹線構想の発想を受け継いだ高速路線、ということが出来るかもしれません。
成田スカイアクセス線、とも呼ばれる成田空港線はその分距離が変わっており、運賃は1200円、スカイライナーですのでライナー料金として1200円の合計2400円が必要です。それ以前の京成本線を運行したAE-100形によるスカイライナーはシティーライナーとして維持されているのですが、これは運賃1000円にライナー料金920円を加算した1920円、やや高くなっています。
しかし、スカイライナー所要時間36分、シティーライナー所要時間61分と物凄い開きが出ていますから、このあたりがスカイライナーの需要、というところになるのでしょうね。一方で京成本線の船橋や成田から成田空港や上野までの旅客需要を考えるとシティーライナーの位置づけもそれなりに高いのでしょう。
3000系普通津田沼行き。こうした通勤電車を用いた特急成田空港行きもそれなりの数が運行されています。青砥駅から京浜急行への乗り入れも行っていますので、空港連絡はかなり重要視されているようです。この点、伊丹空港や名古屋空港の実情を考えると羨ましい。
京浜急行1000系快特。最高速度ではなく停車駅や運転の加速減速でスピード感、と言ったらば京浜急行が日本の私鉄では頂点に立つのかもしれません。京浜急行で横須賀へ向かったのですが、京浜急行はロングシート王国の首都圏においてクロスシートによる特別料金不要の特急を数多く運行している会社です。
近年は羽田空港へのアクセスを確保した事で空港連絡体制を重視してきただけではなく、なんと地方空港に券売機を設置する、つまり羽田空港から国内線での行き先空港に、京浜急行の切符を買える体制を構築する事でより高い利用者確保を目指しています。長崎空港でホントに見た時は驚いた。
横須賀へ首都圏から向かう際には、品川から京浜急行へ乗り換えるか、横浜で乗り換えた方がJR横須賀線を利用した場合、大船から横須賀線に入り鎌倉と逗子を経て横須賀に入るので少々時間が掛かり、鎌倉観光を考えている等の理由が無ければ速度面からは絶対に京浜急行がお勧めです。
京成電鉄3700系の青砥行き、エアポート特快の表示が出ているので、羽田空港へ向かった車両かもしれませんね。スカイライナーが羽田空港乗り入れを実現して成田空港とを連絡したら、どういう事になるのか、近鉄が相互乗り入れを行う阪神線経由で山陽に乗り入れ名古屋発姫路行きが出たら、と同じくらい考えると興味深いかもしれません。
1500系。実はこの日、もっと時間を掛けて京浜急行を撮影するつもりだったのですが、ちょっと上野と秋葉原で時間を食ってしまい、その分中途半端になった時間を京成電鉄撮影に充てましたので、そんなに写真が撮れませんでした。今度はじっくり久々に東武鉄道も撮りたい、と思いつつ、いつになることやら。
特急は横須賀基地に最も近い汐入駅に停車しませんので、金沢文庫駅あたりで普通電車に乗り換えなければなりません。駅数が多いので横須賀中央駅まで出て戻る、というのも手なのですが二重乗車になり違法なので一階改札を出る手間を考えると、ううむ。2000系普通電車、かつては2扉クロスシート特急車でしたが現在はロングシートに。阪急2800系のような車両ですね。
JR横須賀線E-217系電車。横須賀駅から東海道本線方面まで戻る事に。トンネルの多い横須賀市らしい写真なのですが、この写真のE-217系、なにか貫通扉付近が凹んでいるようにみえましたので思わず撮影。電車のこんなところが凹んでしまうような衝突、というと、・・・、いや考えるのはやめましょう。
東海道本線E-231近郊型。E-217系と同じく中間部分にダブルデッカー方式のグリーン車を連結している編成です。なかには湘南新宿ラインで高崎駅などかなり遠くまで乗り入れる車両もあり、奥が深い車両。この列車は伊東行きとのことです。こんなかんじで二日間、横田基地と横須賀基地、それに上野と秋葉原を結んだ鉄道関係の写真としてまとめてみました。E-5はやぶさ号、新型スカイライナーが撮れましたし、こっちがメインでも、という嬉しい成果です。
北大路機関:はるな
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