北大路機関

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小松基地F-15,来週より増槽破裂事故からようやく飛行訓練再開へ

2011-12-03 12:35:12 | 防衛・安全保障

◆全国の部隊でも増加水槽使用再開

 F-15、報道によれば小松ではようやく訓練飛行が再開です。

Img_1150小松基地F15訓練、来週から再開へ :TBS系(JNN) 12月2日(金)6時41分配信
・・・ 防衛省は、航空自衛隊小松基地所属の戦闘機F15の燃料タンクが落下した事故を受け、小松基地で見合わせてきたF15の訓練を来週から再開する方針を固めました。  また、小松以外の基地ではタンクを外して訓練を行ってきましたが、タンクを取りつけた状態で訓練を再開します。通常の訓練ができない状況が続けば国防上支障が出ると、一川防衛大臣が再開を決断したものです。(02日06:09
http://<wbr></wbr>headlin<wbr></wbr>es.yaho<wbr></wbr>o.co.jp<wbr></wbr>/videon<wbr></wbr>ews/jnn<wbr></wbr>?a=2011<wbr></wbr>1202-00<wbr></wbr>000019-<wbr></wbr>jnn-pol

Img_1167小松の飛行訓練、まだ再開していなかったのか、という印象です。小松ではF-15が飛行訓練見合わせ、他の基地では増槽装着せずの訓練、これが改められるとのこと。岐阜基地航空祭で動画多機種が不通に富んでいましたからね。F-15の燃料タンクが落下、と聞きますと自動車を運転している人には信じられない、と思われるかもしれませんが、落下したのは機体に装着されている燃料タンクではなく落下式燃料タンクです。これは増槽といい、航続距離を延伸する場合に用いますが、空中戦の際には空気抵抗になりますから切り離して投棄する燃料タンク。

Img_1160また正確には落下したのではなく空中で破裂したというもので、機体そのものに異常はなく、何故再開されていなかったのか、ということは少々疑問です。政治的に説明するまでは飛行しない、という一川防衛大臣の指針があったようですが、小松基地周辺住民への説明に巡回していても原因は判明せず、機体そのものの問題がないのであれば延期する理由、というのがどうしてもわかりません。特にほかの基地で訓練を再開していましたから、性能上問題はないはずです。増槽は本来、投棄する消耗品ですから、その一つが欠陥、ということではないのでしょうか。

Img_1233F-15の訓練。小松基地は日本海上に或る航空自衛隊最大の訓練空域に隣接していますが、増槽を搭載している状況とそうではない状況とでは航続飛行時間が全く違ってきます。F-15は増槽を装着すれば米本土から欧州まで大西洋を横断する長大な航続距離があるのですけれども、機動飛行を行い加速と原則を繰り返した場合、航続距離と飛行時間には大きな影響が出てくるわけです。そういった意味から、重要ではあるのですが、しかし、説明のためにという防衛大臣指針、意義を説明してほしいところです。

Img_1156 訓練のみ中止で緊急発進は継続されていましたが、小松基地は日本海を挟んで対岸に北朝鮮を睨み、ロシア沿海州から日本海を南下する脅威に対して対応する、文字通り防衛の最前線です。北朝鮮からの脅威に近傍にある茨城県の百里基地からでは本州を横断しなければなりませんし、部隊能力は最高レベルに維持しなければ、かえって飛行訓練時間の不足が事故の要因にもなります。深刻な問題が発生していて、全国の同型機が運用停止、というのではなく、小松だけ、という大臣指針が、理解できません。

北大路機関:はるな

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コメント (12)
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