北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

東日本大震災自衛隊派遣、再び千名を超えた災害派遣規模

2011-12-17 22:59:58 | 防災・災害派遣

◆地域除染任務により派遣規模は十倍に拡大

第二北大路機関へ掲載していた東日本大震災災害派遣ですが、動きがありましたのでこちらでも掲載します。

Img_1763 東日本大震災での大被害に対して自衛隊では東北地方太平洋沖地震災害派遣任務として最盛期には10万以上の人員を投入し対応しましたが、順次災害派遣要請の撤収要請への切り替えと、災害派遣任務でなければ対応できない緊急性のある任務が完了し、昨今は100名前後の水準での推移となっていました。

Img_1923 しかし、12月15日時点での自衛隊災害派遣任務は1020名と、久しく1000名の大台を突破しました。100名前後から1000名を超えた、というのは規模にして十倍。11月25日時点の災害派遣部隊規模は120名、12月6日まではこの規模で推移していたのですが、12月7日以降、災害派遣規模は1020名へと拡充され、今日も継続される模様です。

Img_1740 派遣任務は原子力災害派遣で、除染所運営に第九化学防護隊、地域除染作業に第44普通科連隊と第6特科連隊が派遣され、飯館村役場と富岡役場に楢葉町役場の除染作業が行われています。人員のほか、連絡用に航空機一機が派遣されているのですが、この規模は当面続くとのこと。

Img_9813 当初この任務は自衛隊でなければできないと、一川防衛大臣は表明していましたが、自衛隊が化学戦の戦闘除染任務は想定しているものの核汚染地域の生活除染は全く想定外で、薬物中和が可能な化学剤と異なり、兎に角擦り洗い流すか移動するかが方法となる核汚染には対応ができない、と指摘していたのですけれども、報道ではやはり、スコップで土を移動し砂利を取り除き、モップやブラシで擦る、というものでした。

Img_0119
これは言い方が悪いですが、そこまで高度な技術が必要なのでしょうか、砂利や土の除去と放水下でのブラシによる洗浄、学校の掃除レベルを防護装備下で行う、これは自衛隊でなくとも民間の清掃会社に防護装備を貸与すれば対処できるのではないでしょうか。防護装備も自衛隊は民間と同じタイペックススーツと民間と同じ防塵マスクを調達し任務にあたっています。ちょっと、そこまでの規模を自衛隊でなければできない任務、とするのは乱暴なように思うのですがどうでしょうか。

北大路機関:はるな

(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)

コメント (4)
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