北大路機関

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岐阜基地航空祭2011 AIRSHOW JSDF GIFU AB 2011(2011.11.27) 続報

2011-12-01 23:28:00 | 航空自衛隊 装備名鑑

◆北から南へ!、これが航空祭だ!!

岐阜基地航空祭記事の第二弾です。本来は一度に掲載したかったのですが、時間が、ね。

Img_6855 岐阜基地航空祭は飛行開発実験団が展開する基地というだけあって、実に多くの機種が飛行し、中には試作機も含まれ、地上展示でも多種多様な装備が全国に先駆けて展示される、ということもあり、加えてJRに名鉄と交通の利便性が高いこともあり、多くの来場者が集まる航空祭です。

Img_5107 岐阜基地航空祭の始まりは、小牧基地の救難教育隊から飛来した航空機の着陸から始まりました。着陸までに幾度か上空を航過飛行しまして、この時点北側会場にて地上展示を撮影中、晴天もあり当然かなりの逆光ですが、航空祭の始まりを感じさせてくれた次第。

Img_6519_1 並ぶF-4の上空をゆくUH-60J救難ヘリコプター。次期救難ヘリコプターとしてUH-60Jの改良型が開発されることとなっており、海上自衛隊のSH-60Kや陸上自衛隊のUH-60JAとともに自衛隊とUH-60のS-70系統ヘリコプターとの付き合いは、これからも末永く続きそうです。

Img_5148 ファントムの威容。EJ型初飛行から今年で四十年、米海軍の空母艦載機として配備されてからはすでに今年で半世紀。悪い機体ではなく、大型で近代化改修の余地があった機体なのですがさすがに限界化、と。しかし、F-15の機体寿命を延伸する改修計画がボーイングで持ち上がっているので、本気で延命しようと予算を惜しまなければどうにかなったのか、と思ったり。

Img_5315 着陸後、北側会場付近の誘導路を進むファントム。当日は脚立が禁止されているとあって、まだ少数の方が使う向きはあったのだけれども、ほぼ使われないようになったこともあり、少し引いた位置でもこうした写真が撮れるようになりました。・・・、まあ、この撮影位置は放棄することになるのですが。

Img_6537_1 同行の方々の興味を引いていたのはF-15の油圧起動展示。地上のF-15で飛行状態などを再現するのですが、少々時間がかかり、岐阜基地でないとみられない、という展示でもないので当方などはスルーしてしまうものなのですが、やはり技術系の方には興味を引く要素があったようでした。

Img_5326 その背後では早速F-15が機動飛行を開始。このF-15,イギリスBAEの資料ではSu-27改良型のSu-35相当の航空機に対して、かなり分が悪い、同程度以下の能力、と説明されているのですが、F-15Cの近代化改修は絶え間なく続いていますし、それほど頻度は高くないですがF-15Jも進化しています。そして1vs1という状況は考えにくく、システムとしての航空優勢確保を考えれば、永く使える航空機たり得るのだろう、と。

Img_6605_1 BK-117、今回の目玉、と勝手に考えている航空機。技術研究本部が各種機材の試験用に運用しているヘリコプターです。防災ヘリとしての実績も大きく、いっそ、この機体を陸上自衛隊の観測ヘリコプターOH-6Dの後継機、特に師団飛行隊や旅団飛行隊用に充当しては、と考えたりします。

Img_6689_1 BK-117とT-2CCV.BK-117について同型機を扱う方の話では比較的整備の仕事量も大きくなく、連隊戦闘団単位とまではいかずとも、師団飛行隊や旅団飛行隊に十機単位で配備されていれば、汎用性も高く、用途は大きいのでは、と。観測ヘリとしては搭載器材の強化を図り、無人機との併用を、等など話は尽きませんが、脱線するのでこのくらいで。

Img_6663_1 百里基地から展開したRF-4,入間基地航空祭と同じく、ここでも大人気です。能力的に向上した部分はあっても、求められる任務と対処能力も高度化してきていますので、開発がとん挫しているRF-15を予算充実により推進させるか、F/A-18Eを一個飛行隊専用にあて、低空侵入訓練などと共に策源地攻撃に災害時に、有人機でなければ不可能な任務へ備えてほしいですね。

Img_5449 さてさて、時間がないんですよ。本来はこの地上展示を30分ほどで撮影しきる目的だったのですが、人数が多ければそれだけ興味対象も多様化、既に基地入場の陣容から部隊は本隊と支隊に分化されています。地上展示機も撮れたことですし、ここでさっさと南側会場へ進むこととしましょう。

Img_6773_1 南側会場。バスは混雑しておらず、F-15部品落下事故にて小牧k地航空祭では実現しなかったF-15とKC-767空中給油輸送機の編隊飛行が行われています。こののち、KC-767が機動飛行を行ったのは既報ですが、浜松のE-767もそうですけれども、この機体結構機動性が高いんですよ。見てびっくりです。空港の定期便旅客機で見慣れている機動は、767の性能の一端さえも見せていないほどの実力。

Img_5619 C-130Hの機動飛行。やっぱり南側会場は見えるものが違うぜ。ね。だよ。しかし、です。・・・、南側会場が狭くなっていました。毎年実施される牽引車による子供列車の運行が無く、例年観光バス駐車場として開放されている区画が立ち入り禁止に。恐らく今年は一般駐車場が用意されていませんので、その場所が観光バス用になっているのでしょう。

Img_5802 ブルーインパルス飛行展示の開始。南側会場は桜の植え込みが多く、春に一度散策してみたい立地なのですが、飛行展示を見るには少し障害物になってしまいます。いままで開放されていたバス駐車場付近は滑走路がよく見え、そして木々もありませんでしたから、撮影は今年、ちょっと難しい。

Img_5975 南側会場は奥行きが、今年の開放区画では狭まっていますから、編隊飛行は順光の環境というよりは頭上を行ってしまうわけで、なるほどそれならば航空宇宙博物館側で撮影したほうが、もう少し引いた写真になるのか、とも。・・・、もしくは正門付近にある後方館周辺から撮影すれば、滑走路付近へ十分ほど、転進も楽になったのかな。

Img_6155 そんなわけで、着陸後滑走路から誘導路へと進む様子は、このような形に。滑走路エンド延長線上付近からの撮影です。滑走路のオーバーラン防止用バリアーのワイヤーが少し写ってしまう立地ですが、しかし、現実的には南側会場付近から撮影できる滑走路はこのあたりですか、何処かいい場所に居られた方、いましたらご教授いただけたら、な、と思います。

Img_6238 救難飛行展示。何故かBGMが科学忍者隊ガッチャマンでした。・・・、入間基地航空祭救難BGM,魔法少女まどか☆マギカの際には、あのBGMでは救えないのではないか、と危惧がありましたが、岐阜なんだしBGMは少々古くストラトス・フォーOVA版とか、どうですかね。つか、岐阜とガッチャマン、なんか関係あるのかな。

Img_6949_1 多機種が参加する異機種大編隊飛行へ、ガッチャマンの謎を置いて、つか入間のまどか☆マギカも謎なんですが、F-4が編隊離陸を開始しました。もう少し、ね、後ろの方から撮影できたら、よかったんですけどね。逆光写真よりは機体形状と塗装がよくわかって、いいのか、な、ね。

Img_6370 F-2の編隊離陸。エンジン出力に余裕のあるF-2はあっという間に頭上を高高度で飛び去ってゆきます。2006年だったかな、試作機塗装でF-2三機編隊全てが統一されていた、という凄い年がありました。岐阜基地のF-2は確か五機ほどあり、そのうち四機が試作機塗装になっています。

Img_6515 F-4の機動飛行。異機種大編隊の編成が完了するまでの間、航空機が各々機動飛行を行います。さすがファントム、と、ファントム無頼や空母信濃シリーズファンの方々、こうした情景を、とお求めの方には今週末の新田原基地航空祭2011でもファントムが頑張りますよー。九州遠いけど。

Img_6888 多機種による異機種大編隊。次にこの大編隊に加わるのはライセンス生産一部認可と技術移転をちらつかせているF-35か、IRST強化で対ステルス性能が高まると売り込みを強化するF/A-18Eか、また延び延びになって先にC-2輸送機が加わるか、間違えて先進技術実証機が迷い込むか、根性を積み重ねてT-7が飛び込みF-4が低速飛行に悲鳴を上げるか。

Img_6971_1 編隊を組みかえて再度異機種大編隊。先日掲載のと合わせ三度の飛行。F-Xですけれども、航空自衛隊は防空戦闘一本の組織ですから、正直、F-35もF/A-18Eも、選外に事実上というEF-2000も航空打撃力と制空戦闘の両立による航空優勢、いや空域確保というべきか、そういう機体ですから、どれでもよくはあり、しかし今後防空戦闘以外に乗り出すのであれば、そこが重要でもあり、難しい。

Img_6944 C-1FTBが異機種大編隊を崩したのちに機動飛行を開始しました。戦闘機も重要ですが、電子戦機、航空掩体、輸送機、弾薬備蓄、燃料備蓄、基地警備能力、被害復旧能力、訓練空域、射爆場、足りないものは多く、T-4にE-2C、YS-11とそろそろF-15J,後継機検討が必要な航空機も多々思い浮かびます。個々が旧式化しても、全体のシステムとして機能すれば問題ないのですが。

Img_6982 F-4の着陸。C-1FTBの機動飛行が続く中、T-4にF-4,そしてF-15にF-2と異機種大編隊を構成していた航空機が順次編隊で旋回を行い、着陸してゆきます。管制塔とC-2輸送機用の巨大な第七格納庫を背景に順次誘導路を進んでゆく様子、こうした光景も航空祭ならではのもの。

Img_6992 F-15の着陸。誘導路付近から35mm換算で900mm程度のズームにより撮影すれば、この様子、着陸するF-15と国宝犬山城が一枚に収まったとのこと。犬山城から岐阜基地の滑走路は見えますが、誘導路支隊の画像をのちに見せてもらい、犬山城とイーグルという光景を見て、改めて驚きました。

Img_7030 誘導路を往くF-15.制空戦闘機として開発され、べいうう軍と航空自衛隊、それにイスラエル空軍とサウジアラビア空軍で運用が続く機体。戦闘爆撃型のF-15Eは更に採用されていますが、制空戦闘機、という機体はほかに現用でMiG-31など数えるほど、しかし、大型の機体は発展要素があり、延命改修が行われるのであればまだまだ使える機体だろう、とは思います。

Img_7080 そしてF-2の着陸。この機体、航空自衛隊と政府では評価が低いのですが、支援戦闘機として対艦攻撃に比類なき能力を持っていることはもちろん、制空戦闘機として運用しなかった場合、相応の能力が発揮できるだろう、と。偵察機用途や、ここまでF-Xが拗れるのであれば、それこそ2003年ごろに具体的増産計画を立てて生産継続、できたのでしょうがね。

Img_7122 全ての飛行展示が終了となり、地上展示へ展開していた航空機が順次帰投してゆきます。ほぼすべての機種を、と知られる岐阜基地ですが外来機はいちおう展開してきます。写真亜かけの駐屯地へ戻る陸上自衛隊のUH-60JA,明野駐屯地祭で見た機種でした。

Img_7170 写真は小牧基地に帰投する救難ヘリコプターUH-60J,小牧基地航空祭で見た機種でした。つか、さっき救難飛行展示で飛んでましたね。この付近は、小松基地に小牧基地と浜松基地に明野駐屯地、航空部隊が結構集まっている地域だったりします。・・・、京都も舞鶴航空基地に八尾駐屯地に小松島航空基地と徳島航空基地、近場には結構あるのですが。神戸の芦屋に芦屋基地があればなあ。

Img_7243 三沢基地へE-2C早期警戒機が帰投。三沢基地航空祭!、行ってみたいですよね。しかし、九州沖縄の航空祭以上に行きにくい。青森空港や三沢空港は本数が少なく、運賃もかなり高め、ブルートレイン日本海は来春廃止だし、ブルートレインだと上野まで出て、あけぼの?、新幹線は時間が、難しい。

Img_7374 帰投飛行、有終の美を飾ったのはRF-4偵察機。偵察航空隊五十周年記念塗装を施しています。そういえば、破裂部品脱落事故があった増槽、戦闘機や練習機の機種にかかわらず、このRF-4以外は取り付けていませんでしたね。訓練や緊急発進などの実運用では、どうなっているのでしょうか。

Img_7136_1 このように、多くの写真を撮影し、そして恥ずかしいタイトルで始め、解説のために取って付けた文章は当然脱線もありましたが、当日の話では撮影を完了、岐阜基地正門から名鉄線へこちらも帰投です。正門を出て正門から多分最寄の名鉄各務原市役所前駅までの徒歩時間は21分、ちょうど電車に急行型の5300が来ましたので無事乗ることが出来、この日の撮影を無事完了、いま記事を書いている次第です。お帰りはこちら。

北大路機関:はるな

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コメント (2)
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