◆イージス艦こんごう・きりしま参加
防衛省によれば自衛隊は米海軍との間で25日よりBMD特別訓練を実施します。
BMD特別訓練は弾道ミサイル防衛能力を強化するべく平成23年より開始されており、今回で4回目の訓練となります。訓練は横須賀基地において艦艇と司令部を参加させ実施するもので、訓練統裁官には日本側が自衛艦隊司令官松下泰士海将、米海軍側が第七艦隊司令官ロバートLトーマス海軍中将が当たると発表されました。
参加部隊として、海上自衛隊からは自衛艦隊司令部に加えイージス艦こんごう、きりしま、が参加し、米海軍は第七艦隊司令部と所属するイージス艦が参加し実施されます。訓練は25日から28日まで実施され、部隊間の連携要領に関する演練に主眼が置かれ展開します。
弾道ミサイル防衛は、我が国土に向け飛来する弾道弾は発射後短時間で飛来し着弾するため、発射兆候を確認するとともに迅速な展開を警戒態勢を強化、衛星と航空機や艦艇の目標情報を瞬時に把握共有し、且つ連動し艦艇のSM-3迎撃ミサイルを投射しなければ着弾前の迎撃は間に合いません。
技術的に完全なものは無く、一般的には巡航ミサイルなどの報復的抑止力を構築し攻撃を抑制する方策が諸外国では基本となりますが、平和主義を国是とする我が国としては報復戦力の整備ではなく、盾としての防衛力により弾道ミサイルへ対処するべく、その能力が整備されてきました。
技術的には極超音速で飛来する弾道弾迎撃は、その研究を開始した当時には不可能とされていましたが、探知能力と識別能力に加え情報共有能力が進歩したことで、必ずしも不可能ではない能力を整備しつつあります。他方、我が国周辺には我が国に弾道弾を照準する国があり、その能力が恫喝に用いられた際に主権を維持する観点からも迎撃能力は重要です。連携による防衛力強化へ期待しましょう。
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