◆米海兵隊CH-53重輸送ヘリコプター参加
防衛省によれば陸上自衛隊は25日より米海兵隊との間で日米共同訓練を実施します。
日米共同訓練は、例年実動訓練と図上演習を数回程度実施しており、今回実動訓練は昨年の滋賀県饗庭野演習場で行われるMV-22が参加した第3師団と第3海兵師団との間で実施されたものに続くもので、関越地方で実施、今回の日米共同訓練は2月25日から3月8日までの期間に実施されます。
参加部隊は陸上自衛隊からは相馬原の第12旅団、統裁官には旅団長の富樫勝行陸将補が就き、アメリカ海兵隊からは沖縄の第3海兵師団が参加、統裁官にヘルマンSクラーディ少将が就き、新潟県の関山演習場と群馬県の相馬原演習場が実動演習地として供されます。
部隊参加規模は、第12旅団からは高田の第2普通科連隊より1個普通科中隊を基幹とする200名で、89式小銃、MINIMI,81mm迫撃砲、OH-6観測ヘリコプター、UH-60JA多用途ヘリコプター、CH-47輸送ヘリコプターで、支援部隊に第12ヘリコプター隊が参加していることが分かります。
米海兵隊からは第3海兵師団第4海兵連隊第2大隊隷下の1個中隊基幹とした170名が参加します。参加部隊の装備はM-16小銃やM-240軽機関銃、60mm軽迫撃砲、CH-53重輸送ヘリコプターが参加、陸上自衛隊のCH-47と米海兵隊のCH-53との協同が行われるでしょう。
第12旅団は旅団飛行隊を強化したヘリコプター隊を隷下に持ち、旅団飛行隊としてはCH-47J/JA輸送ヘリコプター8機とUH-60JA多用途ヘリコプター8機、隊本部にOH-6D観測ヘリコプターが4機装備されており、空中機動が重視した編成を採っています。米海兵隊は水陸両用とともに空中機動力を重視しており、共通性を見出すことが出来るかもしれません。
現在陸上自衛隊が総力を挙げ取り組んでいるのは、水陸両用作戦の完遂による島嶼部防衛能力の整備を目指しています。第12旅団と共に那覇に司令部を置く第15旅団も現在、第15飛行隊のヘリコプター隊への改編を目指し、航空部隊の強化を進めているとされ、その訓練の成果が注目されるところ。
陸上自衛隊は現在、55機程度のCH-47J/JAを装備し、航空自衛隊も輸送用に20機程度のCH-47Jを保有、総数での空中機動力は世界的に見ても五本指に入るものです。対戦車ヘリコプターなどの航空打撃力も大きく、装備面と練度の面では非常に高いものがあり、空中機動の先駆者である米軍との協同はその能力を更に高める事となります。
加えて陸上自衛隊はMV-22可動翼機の導入を開始しますし、海兵隊より学ばなければならない点は多くなります、軽装備や装甲車両などの面で陸上自衛隊と海兵隊は共通する装備は少ないものの、任務は共通性は大きいため、今後もこうした積み重ねを続ければ、これが抑止力ともなるように考える次第です。
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