■最新商級原子力潜水艦の可能性
日本海側の豪雪が伝えられる中、中国海軍のフリゲイトと潜水艦が沖縄県尖閣諸島へ出現、接続水域へ侵入、沖縄県を巡る緊張がまた高まりました。

中国海軍の江凱Ⅱ型フリゲイトが11日午前、沖縄県尖閣諸島大正島北東接続水域に侵入したのを、警戒中の護衛艦おおなみ、おおよど、及びP-3C哨戒機が確認しました。海上自衛隊が江凱Ⅱ型フリゲイトの監視を継続したところ、当該艦は海面下に国籍不明潜水艦を随伴している事が判明、他国接続水域では潜水艦は浮上航行が領海条約に定められています。

海上自衛隊護衛艦は中国艦艇に接続水域を出るよう警告し、これを受け江凱Ⅱ型フリゲイトはその後、一度接続水域から出域し、再び大正島の北東の接続水域へ侵入しました。今回は領海侵犯には至っていません。しかし、潜航した潜水艦は大正島近海到達前に宮古島沖接続水域を航行、東北東の接続水域を北西進、最後まで接続水域内では浮上する事はありませんでした。

本日午後に当該潜水艦が東シナ海公海上に浮上し中国国旗を掲げた事を追尾していた海上自衛隊が確認しており、その写真を撮影し公開しました。写真を見る限り、新型の商級原子力潜水艦と艦橋形状に共通点が見られます。接続水域を潜航航行した国籍不明潜水艦に対して沿岸国には継続追跡権が有る為、浮上せねば基地まで護衛艦に追跡される事を回避する為の中国側の根負けといえましょう。

領海条約が外国潜水艦へ無害通航権を行使し領海や接続水域を航行する際に浮上航行を求めている背景には、潜航潜水艦が浮上しなければ正規海軍艦艇か私掠船や脱走艦の確認を取れない事、国籍不明では漁具損傷や汚染物質漏洩の際に沿岸国が賠償責任を問えない事、機雷敷設等沿岸国へ脅威を及ぼす可能性から領海条約14条1項と17条に禁じられている。

菅義偉官房長官、小野寺防衛大臣は事態の緊張度を増す行為であるとして厳重に抗議すると共に外務省も杉山次官が中国の程大使を外務省へ呼び出し厳重に抗議しました。実は、今回の中国からの国籍不明潜水艦による接続水域侵入事案は、文字通り事態をエスカレートさせる極めて危険な行動となります、何故ならば海上保安庁では対応できない為です。

海上保安庁巡視船は海洋法執行機関の公船であり、海上自衛隊の護衛艦のような海軍水上戦闘艦艇としての機能を有していません。潜水艦は海中を航行している為、浮上した場合やスノーケル航行、潜望鏡等を使用する場合を除き、巡視船の航海レーダーでは捕捉できません、潜航潜水艦は基本的にソナーで音を探るのですが、巡視船にソナーはありません。

尖閣諸島領海では海上保安庁巡視船が警戒監視を実施しています。尖閣諸島への中国公船による領海侵犯は常態化していますが、接続水域へ海軍艦艇侵入は2016年6月以来二度目、海上自衛隊も尖閣諸島に接近せず、軍事機構による防衛行動よりも平時における法執行任務は海上保安庁巡視船が担ってきた訳です。しかし、潜水艦は状況を一転させかねない。

中国外務省の陸慷報道局長は記者会見において通常の哨戒活動を行ったのみとして問題は無いとの立場を取りました。これは中国海軍潜水艦がこれまでと違い尖閣諸島周辺海域での行動活性化を示唆したに他ならず、潜水艦を探知できる巡視船、退役護衛艦を海上保安庁に編入させる等、が行われない限り、平時から海上自衛隊が警戒に当らざるを得ません。

安倍首相は、今回の中国水上戦闘艦及び潜水艦接続水域侵入事案を受け、不測の事態に備えて警戒監視に全力を尽くすよう関係省庁に指示しました。平時の警戒監視任務は北朝鮮核実験と弾道ミサイル実験監視任務に注目が集まりがちではありましたが、今回の事案は改めて、南西諸島防衛へも大きな緊張状態が継続している事を端的に示す事となりました。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
日本海側の豪雪が伝えられる中、中国海軍のフリゲイトと潜水艦が沖縄県尖閣諸島へ出現、接続水域へ侵入、沖縄県を巡る緊張がまた高まりました。

中国海軍の江凱Ⅱ型フリゲイトが11日午前、沖縄県尖閣諸島大正島北東接続水域に侵入したのを、警戒中の護衛艦おおなみ、おおよど、及びP-3C哨戒機が確認しました。海上自衛隊が江凱Ⅱ型フリゲイトの監視を継続したところ、当該艦は海面下に国籍不明潜水艦を随伴している事が判明、他国接続水域では潜水艦は浮上航行が領海条約に定められています。

海上自衛隊護衛艦は中国艦艇に接続水域を出るよう警告し、これを受け江凱Ⅱ型フリゲイトはその後、一度接続水域から出域し、再び大正島の北東の接続水域へ侵入しました。今回は領海侵犯には至っていません。しかし、潜航した潜水艦は大正島近海到達前に宮古島沖接続水域を航行、東北東の接続水域を北西進、最後まで接続水域内では浮上する事はありませんでした。

本日午後に当該潜水艦が東シナ海公海上に浮上し中国国旗を掲げた事を追尾していた海上自衛隊が確認しており、その写真を撮影し公開しました。写真を見る限り、新型の商級原子力潜水艦と艦橋形状に共通点が見られます。接続水域を潜航航行した国籍不明潜水艦に対して沿岸国には継続追跡権が有る為、浮上せねば基地まで護衛艦に追跡される事を回避する為の中国側の根負けといえましょう。

領海条約が外国潜水艦へ無害通航権を行使し領海や接続水域を航行する際に浮上航行を求めている背景には、潜航潜水艦が浮上しなければ正規海軍艦艇か私掠船や脱走艦の確認を取れない事、国籍不明では漁具損傷や汚染物質漏洩の際に沿岸国が賠償責任を問えない事、機雷敷設等沿岸国へ脅威を及ぼす可能性から領海条約14条1項と17条に禁じられている。

菅義偉官房長官、小野寺防衛大臣は事態の緊張度を増す行為であるとして厳重に抗議すると共に外務省も杉山次官が中国の程大使を外務省へ呼び出し厳重に抗議しました。実は、今回の中国からの国籍不明潜水艦による接続水域侵入事案は、文字通り事態をエスカレートさせる極めて危険な行動となります、何故ならば海上保安庁では対応できない為です。

海上保安庁巡視船は海洋法執行機関の公船であり、海上自衛隊の護衛艦のような海軍水上戦闘艦艇としての機能を有していません。潜水艦は海中を航行している為、浮上した場合やスノーケル航行、潜望鏡等を使用する場合を除き、巡視船の航海レーダーでは捕捉できません、潜航潜水艦は基本的にソナーで音を探るのですが、巡視船にソナーはありません。

尖閣諸島領海では海上保安庁巡視船が警戒監視を実施しています。尖閣諸島への中国公船による領海侵犯は常態化していますが、接続水域へ海軍艦艇侵入は2016年6月以来二度目、海上自衛隊も尖閣諸島に接近せず、軍事機構による防衛行動よりも平時における法執行任務は海上保安庁巡視船が担ってきた訳です。しかし、潜水艦は状況を一転させかねない。

中国外務省の陸慷報道局長は記者会見において通常の哨戒活動を行ったのみとして問題は無いとの立場を取りました。これは中国海軍潜水艦がこれまでと違い尖閣諸島周辺海域での行動活性化を示唆したに他ならず、潜水艦を探知できる巡視船、退役護衛艦を海上保安庁に編入させる等、が行われない限り、平時から海上自衛隊が警戒に当らざるを得ません。

安倍首相は、今回の中国水上戦闘艦及び潜水艦接続水域侵入事案を受け、不測の事態に備えて警戒監視に全力を尽くすよう関係省庁に指示しました。平時の警戒監視任務は北朝鮮核実験と弾道ミサイル実験監視任務に注目が集まりがちではありましたが、今回の事案は改めて、南西諸島防衛へも大きな緊張状態が継続している事を端的に示す事となりました。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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