北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

陸上防衛作戦部隊論(第六八回):装甲機動旅団再検討日本版機甲支隊案,兵站戦闘支援案

2018-01-16 20:02:37 | 防衛・安全保障
■兵站:前方戦闘支援任務
 日本版機甲支隊案、この視点で忘れてはならないのは前方での戦闘支援任務の在り方です、これ如何で短時間にて戦闘力を使い果たしかねない。

 装甲中隊戦闘群、支隊として戦車戦闘梯隊と機械化戦闘梯隊の2個戦闘単位を持たせる提案です。戦車戦闘梯隊が戦車3両に軽装甲機動車7両に中距離多目的誘導弾2セットから成る部隊、機械化戦闘梯隊が装甲戦闘車7両に81mm迫撃砲3門から成る部隊、として支援部隊を基幹とします。支援部隊は連隊戦闘団へ配属される部隊から抽出し編成する。

 支援部隊は、あくまで連隊戦闘団の一員として運用されるため、専ら連隊段列より中隊集積地へ、第一に弾薬、第二に糧食、第三に燃料を集積しますが、戦闘時を除く陣地構築や軽開示における常続補給任務とは別に戦闘時には緊急補給として装甲車両等による支援を行う必要があり、現在戦車大隊などに装備される装甲車の任務には緊急補給が含まれます。

 後方支援任務には衛生分遣隊や通信分遣隊と給水分遣隊、給食班や人事班等、中隊本部の機能を応用し対応し、中隊段列地域は、離隔した弾薬車と燃料車の補給地区、人事班及び衛生班と給食班と通信班の業務地区、後方支援連隊直接支援部隊等の機動車両とエンジン点検等支援委充てる重レッカー車を装備する整備地区、以上3地区で中隊段列を構成する。

 整備地区、後方支援連隊整備大隊直接支援小隊分遣隊として装甲中隊戦闘群へ派遣し前方野外整備所を開設、野外整備作業を実施する。理想としては後方支援連隊整備大隊直接支援小隊分遣隊へ11式装軌車回収車と96式装備車輪装甲車を配属する事が望ましいのですが、この場合、所要装軌車回収車は12両となり、戦車大隊定数と比較し過大でしょう。

 装軌車回収車は連隊段列地区へ一括して集約し、後方支援連隊整備大隊直接支援小隊へは重レッカー車と整備班が乗車する96式装備車輪装甲車を展開させ、基本的に回収任務は連隊段列地域からの装軌車回収車の展開支援を前提とします、装甲中隊戦闘群支援部隊はこのほか、補給分隊を中隊弾列地区へ展開させ、3t半燃料車及び3t半トラックを集積する。

 補給地区、弾薬車として3t半トラック2両と燃料補給車として3t半燃料車2両、弾薬車は戦車3両と装甲車両14両に迫撃砲5門を運用するため、所要弾薬は膨大なもの、この為、車載の弾薬に加え更に1基数を中隊段列地区に増加携行する、機械化大隊と捜索大隊編成時には連隊段列へ集積が合理的ですが、中隊単位での戦闘では中隊が集積すべきでしょう。

 業務地区、中隊運用幹部と中隊先任曹長へ軽装甲機動車を配備、衛生要員車両に高機動車、給水1/4tトレーラーに中隊用野外炊具2号と併せ高機動車/1t半トラック3両、通信班に高機動車、更に小隊長車として連絡用に1/2tトラック4両等が加えて必要となります。補給地区に業務地区と整備地区は中隊運用幹部と先任曹長が掌握できる範囲内へ展開します。

 第一線部隊への補給は、所要物資情報を戦車及び装甲戦闘車など装甲車両より電送し掌握した上で中隊段列地域より、中隊補給幹部が先導する中隊本部車両、高機動車か可能ならば軽装甲機動車の先導を受け、3t半トラックへ燃料缶や弾薬箱と飯缶を積載し各小隊を巡回補給する所謂ログパック輸送方式と戦闘車両が段列地域へ戻る再補給を併用し戦い抜く。

 装甲中隊戦闘群支援部隊は、軽装甲機動車2両、96式装備車輪装甲車1両、高機動車5両、1/2tトラック4両、3t半トラック2両, 3t半燃料車2両、重レッカー車1両、中隊本部車両と後方支援連隊整備大隊直接支援小隊分遣隊及び補給隊分遣隊等の18両を基幹とすれば、概ね戦闘支援能力を最大限発揮でき、支隊として一定の独立戦闘能力を、構成できます。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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