北大路機関

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しらぬい横須賀寄港-最新鋭あさひ型護衛艦二番艦を初撮影,陽炎型駆逐艦不知火の名を継ぐ

2019-04-13 20:02:31 | 先端軍事テクノロジー
■しらぬい,平成最後の最強艦
 しらぬい、最新鋭の装備というものはそれだけでも気分が高揚するものですが、護衛艦となりますと特に、です。

 しらぬい、最新鋭護衛艦を撮影して参りました。しらぬい、あさひ型護衛艦の2番艦です。三菱重工長崎造船所にて建造が進められ、2019年2月27日に自衛艦旗授与式を実施、就役しました。所属は第3護衛隊群第7護衛隊、母港は青森県大湊基地となっています。

 あさひ型護衛艦二番艦しらぬい、基準排水量5000t、満載排水量6800tの汎用護衛艦で、前型あきづき型護衛艦のFCS-3をOPY-1多機能レーダーとして僚艦防空能力を拡張性に置換し性能を抑えた分、新型のOQQ-24ソナーを搭載し対潜性能を特に重視した護衛艦です。

 しらぬい就役と共に本艦の概要は特に解説しましたが、実際に目の前にしますと、隣のイージス艦きりしま、が満載排水量9500tと際立って大型であり当然大きく見えるのですが、それでも汎用護衛艦は一区分小型である筈が、伍して見える程に大型という印象が強い。

 陽炎型駆逐艦不知火の艦名を踏襲した最新鋭護衛艦は、07式垂直発射魚雷投射ロケット、ESSM発展型短射程艦対空誘導弾、90式艦対艦誘導弾SSM-1B等各種優秀装備を集約すると共に、むらさめ竣工に始まった第二世代汎用護衛艦20隻という一大事業完成の一隻です。

 大湊基地を母港とする最新鋭護衛艦ですが、就役から器材調整などを横須賀基地において実施していまして、3月31日のアメリカ海軍横須賀施設一般公開に際し、東京の友人たちが横須賀入港中とお教えいただきました、当方流石に直ぐには行けず6日に撮影しました。

 舞鶴第3護衛隊群へ配備される予定、と竣工前に聞きまして早速撮れると早合点していたらば第7護衛隊で遠く大湊基地、寝台特急日本海もトワイライトエクスプレスも無い現状ではいつ撮れるか、と憂鬱な心情でしたが、横須賀入港中を撮影出来たというのは幸い。

 OPY-1多機能レーダーとともに新装備としましてOPS-48潜望鏡監視レーダーの装備が挙げられます、これはメインマスト基部に装着されており、P-1哨戒機のHPS-106レーダーを原型として瞬間的な潜望鏡の動静を捕捉追尾する最新鋭の国産Xバンドレーダーです。

 あきづき型護衛艦、前型の護衛艦と最新鋭あさひ型を比較した率直な感想ですが、あきづき型が多機能レーダーFCS-3のアンテナ部分を艦橋構造物と航空機格納庫へ分散していたのに対し、OPY-1は艦橋構造物へ集約しており、艦船として整合性ある印象を受けますね。

 RWS水上艦艇用機関銃架-遠隔操作型、本型の新装備です。艦橋構造物の21番砲CIWSに隣接し救命浮環近くの銃座がRWSです。既に一号型ミサイル艇や掃海艇えのしま型等でRWSは採用されていますが、武装工作船対処の12.7mm機銃を遠隔操作型としたもの。

 OPS-48潜望鏡監視レーダーとRWS水上艦艇用機関銃架-遠隔操作型は、一番艦あさひ、には未装備であり、しらぬい、からの新装備です。ただ後日装備の予定とも言われます。一方、僚艦防空能力や対艦誘導弾の換装等将来拡張性を有しているといい、伸び白は多い。

 最新鋭護衛艦の極致というべき護衛艦ですが、大湊基地へ配備される、しらぬい、青森県大湊基地は比較的古い護衛艦が回される事が多く、駒門駐屯地祭にてお教えいただいたのですが、新造護衛艦大湊配備は護衛艦ゆうべつ以来の実に35年ぶり、とのことでした。

 しらぬい、怒らせたら怖い。海上自衛隊の汎用護衛艦整備は今後少なくとも十年程度は行われません、その理由は30FFM、3900t型護衛艦を掃海隊群へ大量配備する一大防衛事業が開始される為です。ただ、今後安保情勢如何では三番艦建造の検討は有り得るでしょう。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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