■在外米軍5460カ所中130カ所
在日米軍の再編とは2005年、つまりこのWeblog北大路機関創設当時に大きな政府間論点となっていました、あの時代在外米軍5460カ所中130カ所が日本に在った訳です。
在日米軍基地、アメリカ軍は世界に5460カ所の在外基地を有していますが、この中で在日米軍基地や共用施設は130カ所、世界の在日米軍基地と共用施設の2.5%が日本へ集中しています。共用施設には北海道や静岡県の演習場等も含まれます。これは多いか少ないか。
基地施設として航空基地や艦艇基地と補給施設や駐屯地等は日本国内に約90カ所、この中でも実に36カ所が沖縄県へ集中しています。実に四割という米軍基地が沖縄県への負担となっている構図ですね。沖縄県が重視の背景は台湾海峡と朝鮮半島に近くロシアから遠い。
冷戦時代には在日米軍施設は同盟国日本をソ連から防衛する重要な任務を有していました。別にアメリカに守られなくとも第二次大戦前は日本が独力で護っていたのですから、NATO規模の師団を12個、旧海軍三分の一程度、二十分の一程度戦闘機数の艦艇がれば事足りた。
日本独自防衛論に依拠すれば、日本が本気で防衛力を整備するならば独自防衛は不可能ではないのです。こう表現しますと是非、と応じる方も居ますが、旧海軍の戦艦12隻、主要空母18隻、巡洋艦40隻、駆逐艦150隻、この三分の一でも再整備する事は非常に難しい。
戦闘機も零式艦戦と一式戦だけで15000機も保有していました、紫電局戦や三式戦等で更に5000機、雷電局戦や鍾馗に疾風、単純に言えばその二十分の一であっても航空自衛隊戦闘機数の二十倍以上だ。師団数は何とかなりそうに見えますが、日欧師団定員は3倍違う。
食料自給率、一番わかりやすいのはこの視点でしょうか、日本は食料とエネルギーを輸入に頼っています。農水省が過去に食料自給率をカレーライスに例えていますが、国内で香辛料が生産できない厳しい点を指摘していました。日本だけで生きてゆく事ができません。
周辺地域の安定、要するに日本国土の海岸線で敵を防ぐのではなく、周辺地域の安定、海洋交通が確実に維持され、海洋交通の自由と交易の自由が維持されて初めて、国が成り立つ。つまり必要に応じて周辺地域で武力紛争が起きないよう、介入してこれが実現する。
不安定の弧、現在の在日米軍は冷戦所政情不安と大規模紛争の潜在的懸念地域にテロ支援国家が集約されている、北東アジア地域から中央アジア中東地域と北アフリカ地域、昨今はここに中部アフリカ地域とアフリカ東岸地域が含まれますが、此処に近いという意味が。
不安定の弧、その東端に位置するのが沖縄本島と日本本土の米軍基地、となります。この地域で懸念すべき事態が発生しますと、日本はシーレーンを寸断され、数十万数百万の難民流入や紛争の日本波及という状況も懸念しなければなりません、これは回避したいもの。
軍事力の任務は抑止力である、と言われるのですが、在日米軍は抑止が目的です。朝鮮半島で北朝鮮は限定核を使用すればソウル北部の韓国軍主力を一蹴でき南北統一は即座に成る。台湾海峡でも中国が最大限の戦力と投射するならば台湾武力統一も不可能では、ない。
在韓米軍がソウル北方の議政府に駐屯している限り、限定核の使用は有り得ない。何故ならば米軍へ核兵器を使用するならば、平壌を含む主要目標に対し核の報復が有り得、その能力と即応性を米軍が維持している為です。これこそが朝鮮半島安定の要諦、ということ。
在沖米軍が緊急展開能力を維持している限り、台湾海峡を中国軍が越える事はリスクを伴う、アメリカ市民救出へ台北等の主要都市へ展開する為に中国軍は米軍との戦闘を想定する必要がある、ここで米軍へ損害が生じた場合には環太平洋地域の米軍が即座に集結する体制が、大きな抑止力となっているのですね。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
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(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
在日米軍の再編とは2005年、つまりこのWeblog北大路機関創設当時に大きな政府間論点となっていました、あの時代在外米軍5460カ所中130カ所が日本に在った訳です。
在日米軍基地、アメリカ軍は世界に5460カ所の在外基地を有していますが、この中で在日米軍基地や共用施設は130カ所、世界の在日米軍基地と共用施設の2.5%が日本へ集中しています。共用施設には北海道や静岡県の演習場等も含まれます。これは多いか少ないか。
基地施設として航空基地や艦艇基地と補給施設や駐屯地等は日本国内に約90カ所、この中でも実に36カ所が沖縄県へ集中しています。実に四割という米軍基地が沖縄県への負担となっている構図ですね。沖縄県が重視の背景は台湾海峡と朝鮮半島に近くロシアから遠い。
冷戦時代には在日米軍施設は同盟国日本をソ連から防衛する重要な任務を有していました。別にアメリカに守られなくとも第二次大戦前は日本が独力で護っていたのですから、NATO規模の師団を12個、旧海軍三分の一程度、二十分の一程度戦闘機数の艦艇がれば事足りた。
日本独自防衛論に依拠すれば、日本が本気で防衛力を整備するならば独自防衛は不可能ではないのです。こう表現しますと是非、と応じる方も居ますが、旧海軍の戦艦12隻、主要空母18隻、巡洋艦40隻、駆逐艦150隻、この三分の一でも再整備する事は非常に難しい。
戦闘機も零式艦戦と一式戦だけで15000機も保有していました、紫電局戦や三式戦等で更に5000機、雷電局戦や鍾馗に疾風、単純に言えばその二十分の一であっても航空自衛隊戦闘機数の二十倍以上だ。師団数は何とかなりそうに見えますが、日欧師団定員は3倍違う。
食料自給率、一番わかりやすいのはこの視点でしょうか、日本は食料とエネルギーを輸入に頼っています。農水省が過去に食料自給率をカレーライスに例えていますが、国内で香辛料が生産できない厳しい点を指摘していました。日本だけで生きてゆく事ができません。
周辺地域の安定、要するに日本国土の海岸線で敵を防ぐのではなく、周辺地域の安定、海洋交通が確実に維持され、海洋交通の自由と交易の自由が維持されて初めて、国が成り立つ。つまり必要に応じて周辺地域で武力紛争が起きないよう、介入してこれが実現する。
不安定の弧、現在の在日米軍は冷戦所政情不安と大規模紛争の潜在的懸念地域にテロ支援国家が集約されている、北東アジア地域から中央アジア中東地域と北アフリカ地域、昨今はここに中部アフリカ地域とアフリカ東岸地域が含まれますが、此処に近いという意味が。
不安定の弧、その東端に位置するのが沖縄本島と日本本土の米軍基地、となります。この地域で懸念すべき事態が発生しますと、日本はシーレーンを寸断され、数十万数百万の難民流入や紛争の日本波及という状況も懸念しなければなりません、これは回避したいもの。
軍事力の任務は抑止力である、と言われるのですが、在日米軍は抑止が目的です。朝鮮半島で北朝鮮は限定核を使用すればソウル北部の韓国軍主力を一蹴でき南北統一は即座に成る。台湾海峡でも中国が最大限の戦力と投射するならば台湾武力統一も不可能では、ない。
在韓米軍がソウル北方の議政府に駐屯している限り、限定核の使用は有り得ない。何故ならば米軍へ核兵器を使用するならば、平壌を含む主要目標に対し核の報復が有り得、その能力と即応性を米軍が維持している為です。これこそが朝鮮半島安定の要諦、ということ。
在沖米軍が緊急展開能力を維持している限り、台湾海峡を中国軍が越える事はリスクを伴う、アメリカ市民救出へ台北等の主要都市へ展開する為に中国軍は米軍との戦闘を想定する必要がある、ここで米軍へ損害が生じた場合には環太平洋地域の米軍が即座に集結する体制が、大きな抑止力となっているのですね。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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