北大路機関

京都防衛フォーラム:榛名研究室/鞍馬事務室(OCNブログ:2005.07.29~/gooブログ:2014.11.24~)

チェルノブイリ原発電源喪失-現実化する核事故の危機,キエフ・ハリコフ進まぬ人道経路退避

2022-03-10 07:01:25 | 国際・政治
■臨時防衛情報-ウクライナ情勢
 日本でも有事の際に非戦闘員退避は課題となるところではあるのですが、現実はこうしたかたち。

 人道経路のロシア軍設定、ロシア軍はウクライナ軍との間で大都市からの非戦闘員脱出に関する一時停戦と非戦闘員の市街脱出の為の人道経路設置で合意し、時間は掛かりましたが一部で退避が開始されたとのこと。しかし、その人道経路にロシア軍などによる地雷が敷設されているという、大きな問題が現地の国際赤十字により糾弾されている状況という。

 ロシア軍の経路上じゃないか、こう思わず声を上げてしまったのはロシア軍が設定した人道経路、中でもキエフとハリコフからロシア軍が設定した人道回廊は露骨に、キエフから北方にベラルーシへ延びる経路は、繰り返しロシア軍が渋滞していると報道されている道路そのものですし、ハリコフから延びる経路はロシア第一親衛戦車軍の経路と重なります。

 人道経路、考えたくはないのですがロシア軍のキエフとハリコフに設定した人道経路は、ロシア軍の攻撃進路や補給路と重ねる事でウクライナ軍による無人機攻撃や遊撃戦に対する人間の盾としようとしている、こう考えざるを得ないような恣意的な経路と云わざるを得ません。また考えたくない事は重なります、次にロシア軍都市攻撃が始まるのでしょう。

 チェルノブイリ原発について昨夜気に成る報道がありました、ウクライナのクレバ外相がWeb上に発表したのですが、ロシア軍が占拠するチェルノブイリ原発が電源喪失に陥っているとのこと。“外部電源の唯一の送電設備が損傷し電力供給が途絶えている”“電源を復旧させるためにロシア軍の攻撃を停止させるよう国際社会は要求して欲しい”とのこと。

 外相は“予備のディーゼル発電機により今後48時間は電力を維持できるが、その後は使用済み核燃料冷却装置が停止する”としています。チェルノブイリ原発はロシア軍に占拠され、ウクライナの原発要員がロシア軍監視下で管理に当っていますが、原発関連施設など敷地外の破損には対応できませんし、原発所員は交代も原発敷地内自由移動も出来ない。

 チェルノブイリ原発、IAEA国際原子力機関はWeb上に声明を出し、“ウクライナ当局から報告を受けた”とした上で使用済み燃料プールの冷却水に余裕がある事から“安全性への致命的な影響はない”としました。ただ、もし破壊されればドニエプル川に沿って首都キエフが放射能汚染される懸念があります、まだまだこの原発危機は終息まで遠いようです。

北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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