■防衛情報-ウクライナ戦争
政治の季節はもう少し先となるのでしょう。
ドニエプル川の戦闘が激化している、イギリス国防省ウクライナ戦況報告10月25日付分析においてこの戦闘の概況をまとめています。ドニエプル川においてウクライナ軍は渡河作戦を実施したのは今年夏、そしてロシア軍は2022年にヘルソン州におけるウクライナ軍反撃を受け、ドニエプル川西岸地区から撤退しており、渡河を警戒していました。
ロシア軍はドニエプル川東岸地域防衛のために新しく第18諸兵科連合軍を編成していますが、同時にオリキウ方面でのウクライナ軍反転攻勢を受けドニエプル川東岸地区から一部の部隊を転進させており、この間隙に夏からウクライナ軍が反撃に出ている状態が続く。ロシア軍はこの地域に野砲部隊を集中しており、戦闘の主力は砲兵戦となっています。
■ロボティネの南
機動打撃力の重要性を日本に突き付けているのが部分的な成功を敵主陣地へ突破する機動力を発揮出来ないウクライナ軍の現状か。
ウクライナ軍はザポリツィア州西部ロボティネの南で攻撃を継続、部分的な成功を収めた、ISWアメリカ戦争研究所10月24日付戦況報告において概要が示されました。特筆すべきはロボティネ方面での前進が、10月初旬に第二防衛線突破以降ウクライナ軍は攻撃衝力を喪失しており、大きな戦果拡張に至っていない、戦線膠着の状況ということ。
メリトポリまでウクライナ軍は2023年内に掌握できることが期待されていました、その背景としてメリトポリ掌握はクリミア半島と南部占領地のロシア軍補給線遮断を意味しますが、現状の進捗度合いではウクライナは現段階で泥濘期に入っているため、さらに前進が困難となります。第三防衛線は薄いと分析され、その突破が期待されていました。
■アヴディイフカ近郊
もう一つの焦点がアヴディイフカ近郊だ。一定以上の喪失を強いる事が出来れば戦争全般には影響を及ぼせずとも一つの趨勢を形成できる点は対戦車ミサイル重視に舵を切りつつある日本の対戦車戦闘に一つの試金石となる。
ロシア軍のアヴディイフカ近郊での攻撃頻度が低下している、ISWアメリカ戦争研究所が10月25日付戦況報告においてウクライナ軍タヴリスク地区報道官シュトゥプン大佐の発言として紹介しています。アヴディイフカ近郊には鉄道線があり、鉄道線付近にある廃棄物集積場を臨時陣地化したロシア軍がこれまで攻撃を加えてきましたが、苦戦する。
攻撃頻度低下の背景には、ロシア軍の損耗蓄積があるようで、ウクライナ軍情報筋からの情報としてロシア軍は10月20日までの数日間で主力戦車や装甲戦闘車など109両を破壊されており、これは2022年の緒戦で生じたシヴェルスキー渡河作戦失敗やウフレダル攻防戦、一個旅団が壊滅した戦闘以上の損耗を強いられていると分析しています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
(本ブログに掲載された本文及び写真は北大路機関の著作物であり、無断転載は厳に禁じる)
(本ブログ引用時は記事は出典明示・写真は北大路機関ロゴタイプ維持を求め、その他は無断転載と見做す)
(第二北大路機関: http://harunakurama.blog10.fc2.com/記事補完-投稿応答-時事備忘録をあわせてお読みください)
政治の季節はもう少し先となるのでしょう。
ドニエプル川の戦闘が激化している、イギリス国防省ウクライナ戦況報告10月25日付分析においてこの戦闘の概況をまとめています。ドニエプル川においてウクライナ軍は渡河作戦を実施したのは今年夏、そしてロシア軍は2022年にヘルソン州におけるウクライナ軍反撃を受け、ドニエプル川西岸地区から撤退しており、渡河を警戒していました。
ロシア軍はドニエプル川東岸地域防衛のために新しく第18諸兵科連合軍を編成していますが、同時にオリキウ方面でのウクライナ軍反転攻勢を受けドニエプル川東岸地区から一部の部隊を転進させており、この間隙に夏からウクライナ軍が反撃に出ている状態が続く。ロシア軍はこの地域に野砲部隊を集中しており、戦闘の主力は砲兵戦となっています。
■ロボティネの南
機動打撃力の重要性を日本に突き付けているのが部分的な成功を敵主陣地へ突破する機動力を発揮出来ないウクライナ軍の現状か。
ウクライナ軍はザポリツィア州西部ロボティネの南で攻撃を継続、部分的な成功を収めた、ISWアメリカ戦争研究所10月24日付戦況報告において概要が示されました。特筆すべきはロボティネ方面での前進が、10月初旬に第二防衛線突破以降ウクライナ軍は攻撃衝力を喪失しており、大きな戦果拡張に至っていない、戦線膠着の状況ということ。
メリトポリまでウクライナ軍は2023年内に掌握できることが期待されていました、その背景としてメリトポリ掌握はクリミア半島と南部占領地のロシア軍補給線遮断を意味しますが、現状の進捗度合いではウクライナは現段階で泥濘期に入っているため、さらに前進が困難となります。第三防衛線は薄いと分析され、その突破が期待されていました。
■アヴディイフカ近郊
もう一つの焦点がアヴディイフカ近郊だ。一定以上の喪失を強いる事が出来れば戦争全般には影響を及ぼせずとも一つの趨勢を形成できる点は対戦車ミサイル重視に舵を切りつつある日本の対戦車戦闘に一つの試金石となる。
ロシア軍のアヴディイフカ近郊での攻撃頻度が低下している、ISWアメリカ戦争研究所が10月25日付戦況報告においてウクライナ軍タヴリスク地区報道官シュトゥプン大佐の発言として紹介しています。アヴディイフカ近郊には鉄道線があり、鉄道線付近にある廃棄物集積場を臨時陣地化したロシア軍がこれまで攻撃を加えてきましたが、苦戦する。
攻撃頻度低下の背景には、ロシア軍の損耗蓄積があるようで、ウクライナ軍情報筋からの情報としてロシア軍は10月20日までの数日間で主力戦車や装甲戦闘車など109両を破壊されており、これは2022年の緒戦で生じたシヴェルスキー渡河作戦失敗やウフレダル攻防戦、一個旅団が壊滅した戦闘以上の損耗を強いられていると分析しています。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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