■叩きつける新装備の迫力
善通寺駐屯地、一昔では軽装備の混成団や旅団の駐屯地という印象でしたが、今日では有事の際に全国へ緊急展開する即応機動旅団の一大根拠地となっています。
74式戦車を置き換える16式機動戦闘車、お世辞ではなくこの装備には驚かされてばかりでした。初めて見上げたのは空挺団降下訓練始めでの装備実験隊装備品展示の際でしたが、部隊配備を始めてみましたのは四国善通寺、しかし驚きは始まったばかりだったのですね。
第14旅団即応機動旅団への改編、第14戦車中隊の廃止と第15普通科連隊の即応機動連隊への改編は歴史ある部隊名が変容してゆく国際情勢と周辺情勢の荒波に備える為とはいえ、一抹の寂しさを感じたものでした。もっとも隊旗授与式には新鮮な機運満ちていましたが。
16式機動戦闘車。実は当方、不勉強で機動戦闘車隊は2個中隊というお話を四月一日にお聞かせ戴いた関係から、いや冗談だろう、とおもったものですが、本物の、二個中隊の機動戦闘車が次々と式典会場へ進む様子をみますと、大変な部隊を実現させたものだ、驚く。
善通寺駐屯地祭はこうした流れのなかで撮影へと瀬戸内海をわたったものでして。驚いたのは基本に忠実であった、ということ。機動戦闘車は戦車などの重戦力にたいして攻勢にでるものではなく、防御戦闘において敵戦車を制圧するものという説明があったのですが。
スラローム射撃をいきなり展示していただき、驚きの展示を、と書きたいところなのですがもっとも驚いたのはその射撃に際してでした、私などは90式戦車と10式戦車の空包の、空砲だろう、というような射撃になれていた故に74式戦車なみに空包射撃に驚かされた。
105mm砲なのですから74式空包と同じなのでしょうけれども、いや、もう二十年ほど前、初めて空包射撃を体験した、聞いたというよりは体験したと表現すべきでしょう、叩きつけるような閃光の刹那後に包む衝撃波というものを久々に体験しました、体で感じるもの。
機動戦闘車隊の訓練展示での運用は基本に忠実でして、仮設敵の上陸に先だって陣地構築を行っていたのですね、要するに防御戦闘を念頭とした装備である、こういう説明展示にしめされる実際のところをわかりやすく訓練展示で視覚化していたことにおどろきました。
防御戦闘では相手に出血を強要した上で戦果を積み重ね、然る後に逆襲部隊を展開し、敵を撃破する。攻勢に転じるというよりは敵の攻撃衝力を削いでしまうことで目標を達成できない状態に陥らせ、逆襲部隊がこれを殲滅する、という防御戦闘の基本を示します。
96式装輪装甲車を三個中隊分あつめた即応機動連隊、96式装輪装甲車は整備性や防御力や不整地突破能力にいろいろと意見のある車両ではあるのですが、取得費用はMRAP耐爆車両並に抑えられていまして、車幅もコンパクト、日本の国土に合致した車両だとおもう。
第15即応機動連隊の訓練展示、確かに防御戦闘を軸とした展示では陣地構築でせっかくの優美な装甲車の形状が、遮蔽物で見えにくくなってしまうのは残念でしたが、これだけの装甲車を集め、そのための訓練をしていることに素直に感心したものです。そして更に。
第50普通科連隊、高知駐屯地に駐屯する第14旅団の精鋭で、こちらは高機動車を主体とした装備の部隊なのですが、二つある連隊の中で妙にこちらの軽装備が目立つ、という話題に接しました。しかし個人的に逆ではないかな、と思ったりもしました、軽量は強さだ。
第14旅団に配備されているヘリコプターは限られていますが、所属する中部方面隊には新たにCH-47J/JAを運用する方面航空隊第三飛行隊が新編されていますので、軽量部隊は軽量を活かした空中機動による攻勢機動が可能になりまして連携が強みだと考えるのですね。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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善通寺駐屯地、一昔では軽装備の混成団や旅団の駐屯地という印象でしたが、今日では有事の際に全国へ緊急展開する即応機動旅団の一大根拠地となっています。
74式戦車を置き換える16式機動戦闘車、お世辞ではなくこの装備には驚かされてばかりでした。初めて見上げたのは空挺団降下訓練始めでの装備実験隊装備品展示の際でしたが、部隊配備を始めてみましたのは四国善通寺、しかし驚きは始まったばかりだったのですね。
第14旅団即応機動旅団への改編、第14戦車中隊の廃止と第15普通科連隊の即応機動連隊への改編は歴史ある部隊名が変容してゆく国際情勢と周辺情勢の荒波に備える為とはいえ、一抹の寂しさを感じたものでした。もっとも隊旗授与式には新鮮な機運満ちていましたが。
16式機動戦闘車。実は当方、不勉強で機動戦闘車隊は2個中隊というお話を四月一日にお聞かせ戴いた関係から、いや冗談だろう、とおもったものですが、本物の、二個中隊の機動戦闘車が次々と式典会場へ進む様子をみますと、大変な部隊を実現させたものだ、驚く。
善通寺駐屯地祭はこうした流れのなかで撮影へと瀬戸内海をわたったものでして。驚いたのは基本に忠実であった、ということ。機動戦闘車は戦車などの重戦力にたいして攻勢にでるものではなく、防御戦闘において敵戦車を制圧するものという説明があったのですが。
スラローム射撃をいきなり展示していただき、驚きの展示を、と書きたいところなのですがもっとも驚いたのはその射撃に際してでした、私などは90式戦車と10式戦車の空包の、空砲だろう、というような射撃になれていた故に74式戦車なみに空包射撃に驚かされた。
105mm砲なのですから74式空包と同じなのでしょうけれども、いや、もう二十年ほど前、初めて空包射撃を体験した、聞いたというよりは体験したと表現すべきでしょう、叩きつけるような閃光の刹那後に包む衝撃波というものを久々に体験しました、体で感じるもの。
機動戦闘車隊の訓練展示での運用は基本に忠実でして、仮設敵の上陸に先だって陣地構築を行っていたのですね、要するに防御戦闘を念頭とした装備である、こういう説明展示にしめされる実際のところをわかりやすく訓練展示で視覚化していたことにおどろきました。
防御戦闘では相手に出血を強要した上で戦果を積み重ね、然る後に逆襲部隊を展開し、敵を撃破する。攻勢に転じるというよりは敵の攻撃衝力を削いでしまうことで目標を達成できない状態に陥らせ、逆襲部隊がこれを殲滅する、という防御戦闘の基本を示します。
96式装輪装甲車を三個中隊分あつめた即応機動連隊、96式装輪装甲車は整備性や防御力や不整地突破能力にいろいろと意見のある車両ではあるのですが、取得費用はMRAP耐爆車両並に抑えられていまして、車幅もコンパクト、日本の国土に合致した車両だとおもう。
第15即応機動連隊の訓練展示、確かに防御戦闘を軸とした展示では陣地構築でせっかくの優美な装甲車の形状が、遮蔽物で見えにくくなってしまうのは残念でしたが、これだけの装甲車を集め、そのための訓練をしていることに素直に感心したものです。そして更に。
第50普通科連隊、高知駐屯地に駐屯する第14旅団の精鋭で、こちらは高機動車を主体とした装備の部隊なのですが、二つある連隊の中で妙にこちらの軽装備が目立つ、という話題に接しました。しかし個人的に逆ではないかな、と思ったりもしました、軽量は強さだ。
第14旅団に配備されているヘリコプターは限られていますが、所属する中部方面隊には新たにCH-47J/JAを運用する方面航空隊第三飛行隊が新編されていますので、軽量部隊は軽量を活かした空中機動による攻勢機動が可能になりまして連携が強みだと考えるのですね。
北大路機関:はるな くらま ひゅうが いせ
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